7セグメントLEDで表示された「3600.012000」という数字を見て、月着陸船を想像できるだろうか? 1970年台の終わり、筆者の目には、この数字が時速3600マイルで高さ120マイルという月着陸船の状態に見えていた。これは、プログラム電卓で実行したLunar Landerというゲームの表示だ。 1969年にアポロ11号が月に着陸した直後、Lunar LanderというゲームがDEC社のPDP-8というコンピュータの上で動き始めた。Lunar Landerは、速度と高さが与えられ、10秒単位でゲームが進む。10秒ごとに燃料消費量を入力して、月着陸船(Lunar Module:LM)を一定速度以下で月に着陸させるゲームである。使われた言語はFOCAL。1文字のコマンドと小数点を持つ行番号を使う奇妙な言語だが、のちに普及するBASICと似た部分があった。 このLunar Landerは、そ