申氏は、韓国軍で大統領の信頼が厚い人物が任命される首都防衛司令官や、実質的な軍No.2ともいわれる合同参謀本部次長などの要職を歴任した実力者で、今年4月の総選挙で国会議員に当選している。申氏に、今回の射殺事件の分析、そして文在寅政権の問題点について聞いた。 ◆◆◆ これまでの「3つの合意」も生かせなかった 今回の事件は、北朝鮮による明らかな反人道的で凶悪な犯罪です。 北朝鮮も加入しているジュネーヴ条約によって、戦時中であっても民間人を射殺することは国際的に禁止されている。さらに、その場で「即決処分」することを禁止する国連経済社会理事会の決議にも違反しています。つまり戦時においても非武装の民間人を即決処分することは大きな問題ですが、今回は「平時」でした。はるかに凶悪な犯罪です。 このような国際的に見て明らかな犯罪行為に対して、文在寅政権は適切な対応を取っていません。この問題点は、大きく3つに