この夏、都知事選があったことなぞ今となっては、遠い昔のような気がする。唯一、これからも人々の記憶に残るのは、小池百合子の都知事3選でも蓮舫の惨敗でもなく、「石丸現象」だろう。 石丸伸二という広島県安芸高田市の市長を務めたとはいえ、東京ではほぼ無名の新人が、X(旧ツイッター)やユーチューブなど、交流サイト(SNS)を駆使してあれよあれよと言う間に人気を集め、約170万票を集めて2位に食い込んだ。今度は地域政党をつくって来夏の都議選に殴り込むという。既成政党にとって脅威になるのは、間違いない。 幼児も「さいとうさ~ん」「石丸現象」とそっくり同じ、いやそれ以上の現象が兵庫県で起きている。同県では、元幹部職員の告発文書をきっかけに、前知事・斎藤元彦のパワハラやおねだり疑惑が噴出、県議会は全会一致で不信任決議案を可決した。県政は大混乱し、斎藤は自動失職の道を選んだ。いま県知事選の真っ最中である。 「