“アニメは日本が世界に誇る文化”“クールジャパン”として、日本のアニメが高い評価を受けるようになって久しい。同時に、アニメの制作現場における劣悪な労働環境も、多くの人に知られるようになった。先日、「若手アニメーターの平均年収は110万円」「1カ月の平均作業時間が350時間を超える人も多数」というデータや、「人間らしい仕事がしたい」といったブラック企業も真っ青の現場のコメントが、日本アニメーター・演出協会発表の『アニメーション制作者実態報告書2015』に掲載され、話題となっている。なぜアニメの制作現場は劣悪な環境に陥ったのか? また、どう改善されるべきなのだろうか? ■手塚が基礎を築いたアニメーションビジネス 1963年1月1日、国産TVアニメ第1号として『鉄腕アトム』(フジテレビ系)の放送が開始されると、驚異的な人気となり、各テレビ局がこぞってアニメ番組を放映するようになった。だが当時は、