ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 氷川竜介の「アニメに歴史あり」 > 【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第54回 国境と半世紀の時を越え、人を動かす情熱のアニメ 今回は映画「ボルテスV(ファイブ)レガシー」(以下「レガシー」)の公開を契機に、原点であるテレビアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(1977)(以下「ボルテスV」)について歴史的意義を語り、そこに込められた情熱を探ってみたい。 まず映画の成り立ちを確認する。原典となった日本の「ボルテスV」はロボットアニメブームの産物であった。5機の戦闘マシーンが変形合体して巨大ロボットとなり、怪獣的な敵ロボットと戦って異星人の侵略から地球を守る、という仕立ては、その当時の典型と言っていい。 同作は諸外国にも輸出され、特にフィリピンでは知らない者はないほど有名となったばかりか、1986年2月に起きた革命にも影響をあたえたとされている