◆疑惑の火消しに焦る小池都知事から来たメール ◆「カイロ大学声明」を書いたのは日本人の元ジャーナリスト ◆「その手は思いつかなかったわ」と都知事は喜んだ ◆工作を補佐した最側近は千代田区長に就任 「相談したいことがあるの」 その日、東京都知事の小池百合子さんから呼び出されました。向かった先は、都庁近くの新宿のオフィスビルの一室。彼女が創設した都民ファーストの会が、事務所として借りていた部屋でした。 「いったい、何だろう」 そう思いながら、足を運びました。 部屋に入り小池さんをひと目見て、非常に驚きました。憔悴し、途方に暮れた表情をしていたからです。長い付き合いですが、彼女のそんな姿を見るのは初めてでした。小池さんは沈んだ声で、こう切り出しました。 「困っているのよ……」 2020年6月6日夕刻。当時の手帳で確認しましたが、4年前の都知事選の直前です。それが、すべての始まりでした。 小島敏郎