【パリ=林路郎】少数政党が乱立し連立交渉がまとまらないベルギーで18日、正式政権の不在期間が250日となった。 政治空白の期間は、249日で連立合意に達したイラクを上回り世界最長を記録した。 ベルギー総選挙は昨年6月に行われ、比例代表制下で12党が議席を獲得。北部オランダ語圏と南部フランス語圏の間の根強い地域対立があり、「中央から地方への権限や財源の移譲」をめぐる交渉は難航している。 豊かな北部から国が税収を吸い上げ、貧しい南部へ配分する財政構造への北部の不満は強く、オランダ語圏政党は財政制度改革を政権参加の条件に据えている。 アルベール2世国王は16日、調停役のレインデルス前財務相に「3月1日までにはまとめよ」と命じたが、交渉が進展する気配はなく記録更新が続きそうだ。