トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 日本人死刑通告 中国異質論を助長する 2010年4月2日 中国当局が麻薬密輸罪で死刑が確定した日本人男性の刑を、五日にも執行すると通告してきた。日本側の懸念を顧みず強行すれば、価値観の違う異質な大国として自ら警戒感を招くことになる。 赤野光信死刑囚(65)は二〇〇六年九月、遼寧省大連の空港から日本へ覚せい剤約二・五キロを密輸しようとして逮捕された。〇八年六月に大連中級人民法院(地裁)で死刑を言い渡され、控訴したが同省高級人民法院(高裁)が昨年四月に控訴を棄却。二審制のため判決が確定した。 死刑が執行されれば一九七二年の日中国交正常化以降、日本人で初めてとなる。ほかに、いずれも大連から覚せい剤を密輸しようとした男三人の死刑囚がいる。 日本政府は中国に対し国民感情などに配慮し慎重な対応をするよう求め、死刑執行の通告にも鳩山由紀夫首相が