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2010年3月8日月曜日

ポンピドーセンター -3

Buenos ポンピドーセンター -3

 スパイをしていた93年ごろ。
 世界は情報ハイウェイ構想に沸き返っていましたが、まだインターネットは立ち上がっていませんでした。
 当時、パリ郊外にあるINA(仏国立視聴覚研究所)をしょっちゅう訪れました。
 テレビ番組をアーカイブする国立機関です。

 そこがビデオアーカイブのデジタル化に取り組んでいました。
 映像を貯めて、それをデジタル化していくことに、相当な予算と労力を割いていました。
 気になりました。なぜそんなに熱心なのか? 
 何度も通ううち、担当者がやっと口を開いてくれました。
 「いずれ世界は通信ネットワークで覆われる。映像が通信で流通するようになる。そのときフランスは、国民資産たる映像情報を発信し、国家の威信を誇示するのだ。ハリウッドに対抗するのだ。」
 ははは。
 冗談にしても大仰ですね。
 それから十数年。
 20064月、INAは、10万本の番組をネット配信しはじめました。
 毎年5000本を追加していくといいます。衛星含め87チャンネルの番組をどんどん貯めていくといいます。
 驚きました。
 今はフランソワ・ミッテラン図書館内にアーカイブを置くINAは、ずっと、本気だったのです。
 ずっと、やっていたんです。
 20077月、フランステレコムとフランステレビジョンは、ニュース以外の番組を放送後一ヶ月、ケータイとパソコン向けに独占的に配信すると発表しました。
 NTTNHKとが独占契約でIPTV事業を行うようなものです。
 日本じゃ考えられない。
 YouTubeとハリウッドの連合に対抗するには、それくらいの本気さが必要なのか。
 日本では主要国の3年ビハインドで、NHKNHKオンデマンドを2008年末に開始。
 テレビアーカイブをネットで見られるようになりました。
 しかし、スタート時の番組数は1000本。
 INAスタート時の100分の1です。
 本気さが問われている、気がします。
  (少年タケシ それでもポップか! 改訂)

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