「今日も明日も明後日も、徹夜でやるしかない」 カメラメーカーとして知られる同社だが、全体の売り上げに対するカメラ関連事業の比率は、実は4割程度に過ぎない。 「デジカメ市場はこの15年右肩下がりで、今後さらなる縮小が予想される。他の主力事業として、半導体の製造に不可欠な『露光装置』と呼ばれる装置がありますが、この分野は競合が9割以上のシェアを占めており、ニコンは苦戦を強いられています」(経済紙記者) そこで2019年、新たな事業の柱を生むために「次世代プロジェクト本部」という部署が立ち上がった。ニコン最大の開発拠点・埼玉熊谷を拠点に、エンジニアら150~200名ほどが働く。A氏もこの部署に属していた。異変はここで起こった。