●書評はワースト、でも本人の作品としてはベスト作品 今月号の『本の雑誌』を何気なく読んでいたら、ワースト作品に上げられていたのが鯨統一郎著『努力しないで作家になる方法』(光文社)である。まあ、その本を読まなくても解るが、作家になるためには努力が必要なのであって、努力なしに作家になれるわけがないのである。 でも、この題名が気になってしまったので、本屋でこの本を買わずに、図書館でこの本を借りてきました。 そしたら案の定でした。 鯨統一郎本人は作家になるために壮絶な努力をしまくっているのである。題名と内容が余りにも違いすぎるのであって、『本の雑誌』がワースト作品に挙げたのも良く解る。これは「文学的な詐欺罪」に当たるものなのであって、公正取引法に抵触する作品なのである。 しかしこの本は意外と出来がいいのだ。この本を読んだ後に鯨統一郎の本をパラパラと読んだのだが、恐らく鯨統一郎の作品の中でこの本がベ