「中国製造2025」の一環として半導体産業の強化を掲げる中国。今、中国国内には巨大な半導体製造工場が立ち上がりつつある。半導体製造装置については日米欧の寡占状態にあるが、中国は製造装置の内製化も進めようとしている。中国による製造装置の国産化は、どの程度まで進んでいるのか。 国策で半導体産業を強化する中国 中国の習近平国家主席肝いりの産業政策「中国製造2025」の1丁目1番地には、「中国半導体産業の強化」がある。2014年に立ち上げた中国IC基金は18兆円に増額され、この資金を投じて中国国内に半導体の巨大工場が立ち上がりつつある。 紫光集団傘下の長江ストレージは、武漢に月産10万枚の3次元NAND型フラッシュメモリ用工場を2017年末に立ち上げ、既に装置の搬入が始まっている。長江ストレージは2020年に月産30万枚、2030年に月産100万枚に増産すると発表している。 UMCと技術提携してい
三重野投稿論文図20180320 本論文は、2017年に行われた中国経済経営学会 全国大会にて報告した内容を元に、作成しました。お仕事の参考となれば幸いです。 概要 2015年5月8日に国務院が公布した中国製造2025[1]は、中華人民共和国の成立100年までに3度行われる10カ年計画における最初10年の製造強国戦略実施の行動綱領である。重点分野の一番目に次世代情報技術が挙げられており、その中でも「集積回路と専用設備」すなわち半導体産業が特に重要視されている。コアとなるチップが、手に入らなければ、次世代情報技術もIoTも成り立たず、また、他国に大きく依存すれば機密情報流出の危険性さえあり、「中国製造2025」の方針に反してしまう。その現実的方策として、半導体産業への投資基金の創設、製造工場建設、半導体関連企業へのM&Aが挙げられる。特に、製造工場建設は、2020年までに国内外の12社が12
元エルピーダの社長、坂本幸雄氏が新たに立ち上げたメモリ会社「サイノキング」がちょっとした話題になっている。サイノキングに対する「技術流出」や「ユニークなメモリ」という点について筆者の意見をまとめておきたい。 連載目次 2016年2月分の原稿を書いた直後に話題になった件がある。「サイノキングテクノロジー」という新たな半導体企業が、DRAMに取り組むために大々的に人を集めて仕事を始める、というような話だ。NHKや日経新聞などが取り上げて、2月24日には華々しく記者会見が行われる予定だったのだが、当のサイノキングが一転して会見をキャンセルしてしまった。 すでに「ビジネス的な面からの論評」は各方面からいろいろされているようだ。かなりたたかれているといってもよい状況かもしれない。内情は知らないが、出だしからつまずいてしまった、という状況なのかもしれない。しかし同社のWebサイトは、「ちゃんと」存在し
ISSI同様、中国の投資会社による米国半導体メーカーの買収案件だ。2015年は、中国資本による半導体業界での“爆買い”も目立った。 OmniVision Technologiesは、CMOSイメージセンサーの大手。中国のHua Capitalに19億米ドルで2016年3月末までに買収される。イメージセンサーは、デジタルカメラ、スマートフォンとキラーアプリケーションを見いだし、順調に需要が拡大。今後は、自動車への複数個搭載も見込まれ、将来性も高い。この有望なイメージセンサーに触手を伸ばす企業は多く、2014年にはON Semiconductorが、Aptina、Turesensの2社を買収するなど、業界再編が進んでいる分野でもある。 5月――半導体史上最大の買収劇 MicrochipがMicrelの買収を発表――買収額8億3900万米ドル PICマイコンで有名なMicrochip Techn
中国本土A株では半導体関連銘柄の上昇が目立つ。上海総合指数は、急落した8月11日を底値に回復しているが、この日の終値と9月25日の終値とを比較すると、4.1%上昇している。一方、半導体回路設計やテレビ放送関連チップを製造する湘南国科微電子(300672)は122.1%上昇、半導体用スパッタリングターゲットを製造する江豊電子(300666)は59.7%上昇、監視カメラ用画像処理プロセッサを製造する上海富瀚微電子(300613)は52.3%上昇している。ちなみに、これらの企業は全て深セン創業板銘柄であるが、同じ期間の創業板指数は5.8%増に留まっている。 半導体関連銘柄が上昇していることについて、本土機関投資家は、「中長期の観点から、半導体需要が増えることを投資家は評価しているのではないか」と考えているようだ。 9月25日の上海証券報は、「半導体産業は上昇周期に入っており、AI産業の急速な発展
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