障害や病気があっても結婚し、家庭を持ちたいと願うのは自然なこと。それでも障害や病気を理由に縁談を断られたり、自信を持てずに諦めたり、現実の壁は低くない。横浜にある障害者向けの結婚相談所を介して出会った夫婦を訪ね、結婚の意味を考えた。 横浜・みなとみらい21(MM21)地区を遠望するマンションのリビング、笑顔で収まる2人の写真が並んでいる。東京ディズニーランドでミッキーマウスの耳を着けておどけ、ウエディングドレスとタキシード姿で背筋を伸ばし…。 「彼女の笑顔が増えたのは僕のおかげや」。大阪出身、冗談めかしてそう豪語する高木則幸さん(仮名=45)=川崎市川崎区=は脳性まひで右半身が不自由だ。妻由紀子さん(仮名=35)にはパニック障害やうつ病など精神疾患がある。 食卓では、則幸さんの右隣に座った由紀子さんが「これ食べる?」と料理をサッと取り分ける。休日はそろって音楽教室に通い、人気歌手のポ