●一般投資家にとっての為替リスク ●運用商品販売ビジネスと為替リスク ●機関投資家の悩みと割り切り ●為替レートの決定要因 ●為替リスクにリスク・プレミアムはあるか 一般投資家にとっての為替リスク 本稿の執筆時点(2022年10月)では、年初来進んできた円安が話題になっている。ドル円の為替レートで見て約30円の円安なので注目されるのはもっともだ。一方、内外の株式市場では、主に米国FRB(連邦準備制度理事会)による急激な金融引き締め(主に政策金利の引き上げ)を受けて、株価が大きく下落している。 最近投資を始めた投資家は、米国株式をはじめとする外国の株式に投資信託などを通じて投資している方が多いが、彼らは、株価の下落が円安で救われた格好になっている。場合によっては「為替リスクは、株価下落のヘッジになる」と思っているかも知れない。 この認識は危ない。多くの場合は異なるはずだ。為替リスクは原則とし