認知発達ロボティクス(読み)にんちはったつろぼてぃくす(その他表記)cognitive developmental robotics 従来、設計者が明示的にロボットの行動を規定してきたことに対し、環境との相互作用から、ロボットが自ら行動を学習し、それらを発達させていく過程に内包される抽象化、シンボル化を実現するためのロボット設計論。 認知発達ロボティクスの焦点は、自律的なロボットが環境との相互作用を通して、世界をどのように表現し行動を獲得していくかといった、ロボットの認知発達過程にある。とくに、環境因子として他のエージェントの行動が自分の行動をどのように規定していくかという過程のなかに、ロボットが「自我」をみいだしていく道筋が解釈できるのではないかという期待がある。このように環境との相互作用をベースとして、その時間的発展に焦点をあて、脳を含む自己身体や環境の設計問題を扱う研究分野である。