20をこえる出版社が毎月650タイトルのコミックブックを発行し、週に1億部近くを売り切る。40年代から50年代前半にかけて空前の黄金時代をむかえていたアメリカのコミック業界が、50年代中頃にほとんど一夜にして壊滅させられたのはなぜか。6年にわたる150名以上の関係者への取材を通じて、米国を席巻したコミック弾劾の全貌を明らかにした労作。単行本(岩波書店)出版は、2012年05月です。 「学校はコミックブックを公開で焼き、生徒たちは何千冊ものコミックブックを火に投じた。一度ならず焚書の炎のまわりを、子どもたちはコミックブック弾劾の声をはりあげながら輪になって行進した」(単行本p.5) 「国じゅうの新聞雑誌は見出しを掲げて読者に警告した。「子どもたちを堕落させるもの、一冊10セント!」「子ども部屋の恐怖」「コミックブックの呪い」。最も冒険心に富みスキャンダラスな出版社のひとつ、ECコミックスのオ