ついにセンター試験にも出題された数学的帰納法。でも数学的帰納法ってそもそも帰納法じゃなくね?なんで「帰納法」なんて呼ばれるの?というお話。
西先生は、ミルの新しい論理学のポイントを、このように説明します。 其改革の法たる如何となれは induction なるあり。此の歸納の法を知るを要せんには、先つ以前の deduction なるものを知らさるへからす。演繹とは猶字義の如く、演はのふる意、繹は糸口より糸を引キ出すの意にして、其一ツの重なる所ありて種々に及ほすを云ふなり。 (「百學連環」第37段落第4文~第6文) induction、deductionの左側には、それぞれ「歸納の法」「演繹の法」と添えられています。では、訳してみましょう。 その改革の方法とはどのようなものかといえば、induction というものがある。この帰納という方法を知ろうと思えば、まずそれ以前の deduction というものを知らなければならない。演繹とは、その字義のように、「演」は「のべる」という意味、「繹」は「糸口から糸を引き出す」という意味であり
これぞ逆説の魔術。どこかおかしい、でも、どこに間違いがあるのか、答えが出そうで出ないのがパラドクスの魅力だ。バラエティに富んだパラドクスが、12章にわたってこの一冊にギュッと濃縮されている。 まずは、予測のパラドクスの中で有名な「抜き打ち試験のパラドクス」にちなんだ、こちらのエピソードから。 —————– とある中学校でのお話。週末の休みを目前にそわそわし出した生徒に釘を指すべく、数学のM子先生は来週、抜き打ち試験をすると発表した。数学の授業は月曜から金曜まで毎日ある。このいずれかの日が試験だ。ただし抜き打ちだから、生徒は試験日の授業が始まるまでその授業が試験であることを予想できない、そういう試験にするという。 M子先生が教室を出て行った途端、一斉にため息をつく生徒たち。そんな中、P君が不思議なことを言い出した。M子先生は試験を実施できないというのだ。P君曰く、「試験日は来週月曜から金曜の
(高校で習うはずの)数学的帰納法をはじめとする帰納法(induction)と、(π計算など並行プロセス計算に出てくる)双模倣(bisimulation)をはじめとする余帰納法(coinduction)は、双対(dual)であると言われます(例)。双対というのは、大雑把に言うと、論理式のド・モルガンの法則 ¬(A∨B) ⇔ ¬A∧¬B と ¬(A∧B) ⇔ ¬A∨¬B のように、何か一組のもの(ここでは∧と∨)をひっくり返しても同じ式が成り立つという関係です(例)。 しかし、自分は学部4年ぐらいのときに余帰納法(というか双模倣)を習って、「(数学的帰納法のような)帰納法と(双模倣のような)余帰納法が双対」と聞いても、何となく「余帰納法は結論を仮定する(?)から、仮定を仮定する(?)帰納法と反対なのかなあ」と思うぐらいで、恥ずかしながら何が双対なのかよくわかりませんでした。かといって、詳しい人
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