「極悪ゴルフガーデンひでえ」「ネット降ろしてないから練習場側に責任ありですね」。2019年9月9日の房総半島台風(台風15号)で千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄柱が倒壊し、住宅を長期間押しつぶした問題。復旧の見通しが立たない中、SNSを中心に練習場に向けた多くの言葉があふれた。一部メディアは、練習場の法的責任について追及や検証を行う報道を展開し、「加害者」である練習場と「被害者」である住民という見方が生まれ、一つの地域が分断された。 しかし、双方に話を聞くと、簡単な構図では割り切れない複雑な思いと実情があった。(千葉日報社・渡辺翔太) 鉄柱が倒れたのは市原市五井の「市原ゴルフガーデン」。約2カ月もの間、鉄柱は家々にもたれたまま手つかず状態だった。被災したのは30軒程度で、そのうち15軒に直撃した。2月現在、11世帯が借り上げ住宅に暮らす。 こうした状況はすぐに世間に広まった。報道各社は県内常