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第二次大戦中、ドイツでプロパガンダ放送に従事していたアメリカ人の男の物語。彼はナチであると同時にアメリカのスパイでもあって、放送によって本国に情報を送り出してもいた。戦後、男はドイツにもアメリカにも居場所を失い、ニューヨークのグレニッチヴィレッジにて暗い逃亡生活を送っているのだが…!というのがまあ大筋のところで、男が過去を回想するかたちで小説は展開していく。 ヴォネガットにしてはずいぶんストレートな語り口の小説だとおもった。つまり、煙に巻くようなところや、皮肉っぽくわらって放り投げてしまうようなところがあんまりない。主人公は自らの行動を弁護することもなければ、その境遇、不運をことさらに嘆いたりすることもない。ただ淡々と自分のいままでを語っていくだけだ。 しかしわたしはいつでも自分のしていることを知っていた。わたしには自分のしたことを背負って生きてゆくことがいつでも可能だった。どうやってか?
(例1)作家間、固有名間のオマージュ的連鎖。 マネ『バルコニー』1868 マティス『コリウールのフランス窓』1914 ザオ・ウーキー『アンリ・マティスに捧ぐ』1986 この連鎖においては、マスターピースを軸にした美術史の豊穣な物語が語られるだろう。具象と抽象の間でゆれながら作家の固有名だけはゆるぎないものとしてここにはある。 むろんここに、たとえば藤島武二の『黄浦江』(1938−『幸ある朝』1908)の「窓」を繋げて、もう一つの物語を語り起こすことも可能だ。美術史をさらに上書きするために。しかし、僕たちは、これとは別の連鎖の様態も知っている。 +++ (例2)図像の横滑り、無節操な連鎖、またの名をモンドリアン連鎖。 『コンポジション』1920 『コンポジション』1935 『黄、赤、青のコンポジション』1937-42 『ブロードウェイ・ブギウギ』1942-43 ヘリット・トーマス・リートフェ
◆メルマガファウスト 53号、54号が続けてまいりました。 トークセッション第二弾第三弾が掲載です。 53号は主にアメリカ版ファウストの話。 vol.7の話がなくて絶望した! 太田さんが会社の上司に思えてきた。 ボス、これ以上色々手を伸ばさないで! 54号はちゃんとvol.7の話が! 『青酸クリームソーダ』は500枚越えの長編だそうです。 あとは毎度おなじみ「佐藤友哉の人生・相談」掲載。 ◆『パンドラ』についてお詫び 『パンドラ Vol.1 SIDE-B』に佐藤先生と島本先生の合作小説が載ると、 お知らせしていましたが、掲載されていません。すみません。 メルマガの目次に掲載されていなかったのは知っていたのですが、 袋綴じだから「開けてからのお楽しみ」的にあえて書いてないのかと……。 また、発売日変更についてもお知らせできず申し訳ございませんでした。 合作小説は袋綴じ部分に「延期」との記載が
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