1979年にメルトダウン事故を起こしたスリーマイル島原発(アメリカ・ペンシルベニア州)周辺での現地取材報告を続ける。 今回は、TMI原発事故の健康被害を20年間追跡調査しているピッツバーグ大学公衆衛生大学院の疫学者、エブリン・タルボット教授のインタビューをお届けする。ピッツバーグ大学は、原発事故直後にペンシルベニア州政府が集めた原発から5マイル(8キロ)内に住んでいた住民3万2000人のデータをそのまま引き継ぎ、20年間追跡調査している。 これまでコロンビア大学とノースカロライナ州立大学の疫学調査の結果を報告してきた。コロンビア大学調査は、病院に保存されていた原発周辺住民の事故以前の病歴データと、事故後の病歴データを比較して、放射能プルームの流れた方向とがんの発生の因果関係を調べたものだった。「健康被害あり・原発事故との因果関係なし」と結論を出した。ノースカロライナ大学は1990年に同じ元