このところ昆虫食がマスコミに取り上げられることが多く、関心をもつ人たちが増えてきている。とはいえまだまだ普通の食材として認知されておらず、昆虫を食べることに不安を感じている人は多数にのぼる。そこで本稿では一般の日本人が昆虫食をどう思っているかを概観し、それを受けてどうしたら美味しく安心して食べることができるかを考えてみたい。 日本ではかつて広範に食べられていた昆虫だが、戦後の農薬防除により個体数が激減したことや、食の「工業化」による流通システムの変化によって、一般には昆虫を食べる習慣はほとんど失われたように思われている。だがよく見てみると中部地方など一部地域ではあるが昆虫食は今でも根強く存在し、地域のコミュニケーションの手段としても活用され、年中行事として定着している。そこで具体的に今の日本人が昆虫を食べるということについてどう思っているかアンケートを実施し355人より回答を得た。(図版A