外務省は七日、シリアへの渡航を計画していた新潟市在住のフリーカメラマン杉本祐一(ゆういち)氏(58)に対し、旅券法に基づいて旅券(パスポート)の返納を命じ、渡航を阻止した。外務省筋によると、杉本氏はトルコを経由して、シリアに入国することを公言していたという。今回の措置は初めてで、憲法が保障する「渡航の自由」との兼ね合いで論議を呼ぶ可能性もある。 日本人人質事件を踏まえ外務省は警察と共に、杉本氏に対し自粛を強く要請したが、渡航の意思を変えなかったという。外務省職員が七日に杉本氏に会い、命令書を渡して旅券の返納を求めた。