【ExWHYZ】Episode15 mikina「振り返ったときによかったなって思える経験をいっぱい用意できたら」
Seihoとのスプリット・ツアー〈SeihoWHYZ〉が3月12日に始まったばかりのExWHYZ。個別インタヴュー第3弾は、mikinaが登場。2024年に入り、WACK所属グループと合間見える機会が多かった中で、ExWHYZはどのような音楽性、パフォーマンスだと捉えているのか。そして3月20日リリースのVAアルバム『Dress to Kill』に収録されるリミックス曲や新曲「Fleeting」について、DJとしても活動する彼女に、DJとしてのパフォーマンスや心構えも訊いた。
『Dress to Kill』からの先行配信
INTERVIEW : mikina (ExWHYZ)
一つの質問に対して、じっくりと考えてから、自分の言葉でしっかりと言葉を紡いでくれるmikina。今回のインタビューでは、いかにお客さんたちの感情を揺さぶることができるか、そして、1人1人それぞれ違った感情を引き出すことができるかにチャレンジしているかが伝わってきた。グループとしてのライブに加え、DJプレイもはじめたことで、パフォーマーとしての思考が深くなっている最中だということが感じられる取材となった。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : まくらあさみ
いつまでもライブで響く曲の強さが必要
──2024年に入りWACKツアーやAGESTOCKなど、WACK所属グループとライブをする機会が多かったと思うんですけど、実際一緒にライブしてどんなことを感じましたか?
mikina:各グループが、それぞれの道に歩んでいるのをとても感じたツアーでした。他のグループのライブを観て、それぞれが自分たちの道を探していて、そこに熱さを感じたというか。ステージ裏ではみんなすごく優しいし、元気だし、私がちょっと病み上がりのライブでは声をかけてくれたりして。そういうところにも仲間感をめっちゃ感じて、みんなで幸せになりたいなとめっちゃ思いながら過ごしていました。
──他グループのメンバーとのやりとりで、印象残っていることはありますか?
mikina:ギャンパレさんが、よくわからない話で大盛り上がりしていて、それにずっと笑っていました(笑)。バイショ(BiTE A SHOCK)もすごく懐いてくれて。面白かったのが、HARUTOがご飯を電子レンジでチンしたんですけど、その容器がベコベコになっちゃって。チンした後、真っ先に私のところに真っすぐ持ってきて、こうなっちゃいました! って報告されて。それがほんとに可愛くて、面白かったです(笑)。それ以外にも、いつの間にか後輩がいっぱいに増えたなと思うことの多いツアーでした。
──他のグループと比較したとき、ExWHYZの音楽性についてはどう思いましたか?
mikina:ライブに対するバイブスは他のグループもみんな一緒だけど、ライブの仕方とかは全然違うなと思ったし、音楽性も全然違うと思いました。久しぶりにWACKの他グループの曲をがっつり聞いたんですけど、WACKの音楽って、なりふり構わずロックと魂で歌を伝えるみたいなスタイルだと漠然と思ってたんですけど、いまは良い意味で変わってきてるなって。それがすごく面白かった。いろんなグループの未来を1個1個感じたし、みんなで頑張りたいなって思いました。
──ExWHYZの音楽は、伝統的なダンスミュージックの系譜を踏まえつつ、いまのサウンドを取り入れたハイブリッドな印象がありますよね。ある種、ドープというか。
mikina:私としては、どんなに音楽好きの人に刺さる変態的な音楽を作ったとしても、結局ライブが1番大事だと思っているんです。メンバー自身がトラックやメロディを作る人たちじゃなく、ライブで曲を通して人と関わる立場だから。だからこそ、いつまでもライブで響く曲の強さが必要で、実際ExWHYZの音楽ってそういう楽曲だと思うんです。そうした楽曲をパフォーマンスする上で、ライブで曲の良さをいかに引き出すか考えなきゃいけない。いい音楽の中で、人の情緒を引き出さなきゃいけないから、めっちゃ難しいなとは思うんですけど、そこができるのがExWHYZの曲だなって思っています。
──WACKツアーファイナルの東京公演で、BiSHの「NON TiE-UP」のリミックスver.を久しぶりに拝見したんですけど、ExWHYZらしいアレンジとパフォーマンスに昇華していて、すごみを感じました。
mikina:自分のたちのものにしないと、あの場でやる意味はないと考えていたんです。BiSHさんの曲は盛り上がるに決まっているから、そこに私たちが100パーセント背中を預けてライブするのは違うじゃないですか? そこで自分たちのもっている技を全部詰め込まないと意味がない日でしたね。あの日はめっちゃ緊張しました。
──それは、全部詰め込まなきゃいけないっていうプレッシャーから?
mikina:そうですね。やりたいことを全部やりたいけど、ライブは1回しかないから、そこに全員集中して気迫を出せるか。ちょっとの理由で揺れたりぶれたりしちゃうから、集中できるかという部分で、めっちゃ緊張しました。
──やり終えてみて、自分の持っているものを全て出せた?
mikina:本当に緊張してる時って、緊張に惑わされていいライブができたことってあまりなくて。あの日も、ちょっとそういう部分はあったと思います。でも、お客さんが喜んでくれて。それが答えでもあると思うんです。緊張が熱気にぶれるというか、いい方向に行ったこともこれまであって。反応がよかったことが全てかと思って。だから、客観的に見て、良いライブができたんじゃないかなとは思っています。