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はてなキーワード: ケイタとは

2023-08-14

anond:20230813172505

音や光に過敏で悩まされてる人の話かと思ったら、全然違った。笑える話で良かった。

ちょっとしたインディケイターのつもりで付いてるLEDの直進する光って、目に痛いよね。

そこだけ不透明テープ貼っておくと和らぐよ。

完全に不透明ビニールテープ貼ると点灯が全く分からなくなって危険かもしれないので、

絆創膏医療テープおすすめ和室照明風の柔らかい光になる。

音も、どうしても設定で消せなかったり、音量調節出来ないものは、スピーカー出口にテープ貼るといいよ。

音が籠って、気に障る度が大分和らぐ。

この手の物理手段検討してみて。なんだかんだ言って、物理最強。

2023-01-26

anond:20230126141201

小学校の時に空き地で遊んでて友人のケイタ君ががれきを引っかけて玉袋が割けて中のタマタマがこぼれ出てきたのを見たのが僕のトラウマです

2022-03-04

男性向けNL関連への私見

◆はじめに。

まず注意書きから

この記事には気が狂うような文体や、現行のネットコンプライアンスに相応しくない描写が含まれています

閲覧して数秒で受け流せる、忘れれると思えるという自信の無い方はここから先の閲覧をお控えください。

なお、この記事イメージBGMバハムートラグーンOPテーマヨヨテーマ

ライブ・ア・ライブOP曲、SF編移動曲、中世編関連曲となっております

◆1章。 「男性向け男女間恋愛モノの男性主人公論」

各界の「今は亡きアカウント・コバァヤシ ケイタリアァン」の

「男タク向けのラブコメって、どうして男女間に容姿格差なんてあるのだろう。

俺はデブでもボサボサでも構わないと思ってるがそれなのに美人ヒロインと付き合えるとかどうだよ。」

というツイートに対する反応

めっっっっちゃわかる!ヒロインたちは基本的になぜかうっすら主人公を好きな設定(主人公の魅力がマジでわかはん)ついでに主人公は常に受け身なのに物語を引っ張っていくのはその美少女たちに任せっきりな感じ https://t.co/p3cy0fElJl

オタク向けのそれでも99.9%女は容姿端麗だもんな、、男はイケメンだけどモラも多い、、

私が一昨年秋から男性向け男女間恋愛モノについて似たようなこと思っていました。

ようやく数日前閃いたことは、それが1つのポリティカル・コレクトネスみたいなことが無意識少年漫画ラノベ特定男女間恋愛案件にて形成されてしまってる事だよ。

男性側がコンプレックスルサンチマンになるのがいやだからわざと解像度低くして書いてるのか?って思ったよ。

作者の意思なのか?

それとも編集部業界意向なの?

それだけでなく12年前にアニメ化されたある青年漫画原作ラブコメ(名前非公開)も主人公の男の異様なオーラの無さに違和感を感じた…

昨年秋クールにあるキー局放送されてた(作品名前はあえて伏せる、分割2クールの1クール目でもある)も…

それに19年10月にどっかの野党タカ派ヴェンゴシさんにポスターのこと標的にされた漫画でも…

その様な思ったことが1月後半、1人のネット民の発言により確信を得ることになった…。

「じゃあどんな主人公あんたが望みなの?」

の答えについて。

男の娘みたいな顔の少年』ですよ。

事実上私にとって新規で禁断の蜜となるコンテンツとなる資格の一つです。

「じゃあ男主人公の特技はどうしたらいいんだ?」

そりゃあ、

戦車ライフルや暗○拳の扱い(それは危ないッすよ…!スペクタクル路線になりますよぉ)

(欠番)

私は心底サブカルマジョリティに媚びた、

弱者男性配慮名目としたアリもしない勝手無意識ポリコレで男主人公を低解像度または目つき悪いとかにしなきゃいけないような新規ラブコメの風潮に敵意を覚えていますよ、マジで

それを言いたかったんです。

だけど結果は「貴方のぞみを詰め込んだ禁断の蜜たる作品は出せてもスパン短くても一年に1作ぐらいでしょう」が現実となります

業界様も数年先まで予約多数あるので。。

◆3章(ここでは2章は欠番) 青虐・奈央虐へのメス

ー青虐編ー

業界や界隈にのさばってる青虐・奈央虐風潮のこと

そんなことしたらかっこいいっていうのか?

作品出る事に青髪キャラ出る度におちょくるとかしなければアニメオタク称号得られないって言うのか?

青虐についてだが、

10年前に見た某アニメなんて青虐の元凶戦犯アニメだろ、どこが名作だ?

一方で同期に放送されたギルティクラウンブラックロックシューターは不当な袋叩き受けたのに…

主人公の髪ボサで眼鏡の男が地球女の子捨ててメガネの異星人の女に付いた、けどメガネの女は故郷の異星に連れ戻され、続編の予感すらなし。

中で胸糞回前後編たる9〜10話、これが私に対して

島崎信長」への強いトラウマを植え付ける原因になりましたよ。

その年の下手なバトル・ホラーアニメより胸くそ悪いものでしたよ


デップー世界のサノスさんはデビルーク星じゃなくてあのメガネの女の母星を粉砕して欲しかったのに。。

その一方で可哀想作品もありましたよ。

クール(12春)に放送されたあっちこっち

終始青展開なのにニャル子や氷菓など男女間恋愛強豪台頭と不当な批判ダブルパンチ

なにがいけなかったんだよ?

相互禁忌扱いしていたのも不当だろ。

その某アニメの件は男女間恋愛での青虐ジンクスの原因に、

コピペブログで青キャラおちょくる記事作られそれを見なくても界隈を淀ませてくれましたよ。

それだけじゃない、ネット上でその年の男女間恋愛アニメにて主人公と結ばれなかったヒロイン

滑り台の画像と合成して「クビを宣告された女たち」だとか悪趣味すぎるじゃねえか!!!

こんな界隈の態度で男女間恋愛から抜けた奴らどれだけいたか

その某アニメが残した呪いは未だに解けない…

あと「おさ虐」ってのもあったようだな。

ー奈央虐編ー

こっから作品名を一部晒しますよ。

18秋青ブタ20夏は かのかり、そして俺ガイル

業界様は今年2年ぶりに奈央虐の準備をしてるんだよな。。

作品名前は言えないけど。

一昨年(2020年)の9/20の時はあまり精神攻撃

下手なバトルアニメの鬱回・胸糞イベントよりもショックで昼ごはん食べたのは1時半より後になるほどの放心状態だった。

無論強いトラウマに…

じゃあどうすればいいんだ?男女間恋愛案件は?

ああ・・・

登場人物偶数にして複数カップルにすんればいいじゃんけ。

撮れ高無くなるから嫌? オムニバスって手があるんすよ。

一昨年に「ぼくたちは勉強ができない原作ラスト複数の編に分けて作りいろいろあったけどぼく勉の作者の取ったことがどれだけ正しかったのかが身に染みるよ。

◆5章(4章はここでは欠番) クリスマススクイズへの疑問。

思ったけどさあ、

なぜ毎年クリスマスシーズンSchoolDays一挙放送に何の疑問も抱かない?

その時期だと男女間恋愛へのルサンチマンコンプレックスが爆発するので歪んだ結末を迎えるものの方が気が安定するからなのかな?

男女間恋愛コンプレックス爆発するのが嫌なら

腐夢イケメン案件百合避難するとかいルートはないの?

たまには2日かけてでもいいから腐夢か百合一挙放送すればいいのに、ABEMAさんは。

無論バレンタインホワイトデージューンブライド夏休み狐の嫁入りでも言えることです。

◆6章 茶みらい氏の悲劇。そして批判しづらい世の中になっていく昨今

出会った女子高生幼なじみのガキ大将だった」シリーズを展開してたけれど

結婚クライマックス迎えた最中に、一部のネット愉快犯荒らしにより

他のネットに移動を余儀なくされたという…

私が今まで知ってきた男女間恋愛コンテンツで最も悲劇作品ですよ…

しかし茶みらい先生への逆張り冷笑する奴らも根強い…

茶みらいのツイ垢潰し事件俺ガイル随一の胸糞回放送はほぼ近い時期にありました、

今は亡きネット愉快犯一味は…これだから

2021-12-31

ブラック話題で笑う電通マン達が笑えない

電通社員過労自殺事件から6年のタイミング

電通マンが【ウルトラブラック】という社名で独立

藤本宗将 Copywriter/Creative Director@fujimotors

12月末で電通退職します。約25年にわたり社内外のみなさまには大変お世話になりありがとうございました。1月から独立し、UltraBlackという会社をつくってやっていきます電通との専属契約などはありませんので、これまで以上に多くの方々とお仕事できれば幸いです。よろしくお願いいたします。

https://twitter.com/fujimotors/status/1473887352691236865

この社名も気持ち悪いが、それに対する電通社員(元電通社員)の反応がまた気持ち悪い

日下慶太 / ケイタタ@keitatata

最高の会社名ですね(笑)

おめでとうございます

藤本宗将

日下さんありがとうございます!さまざまな解釈ができる会社名です(笑)

https://twitter.com/keitatata/status/1473887571629719556

同じ会社人間が亡くなっててよく笑えるな・・・




◆栗田雅俊@kurita_ma

なんとかっこいい社名。。!おめでとうございます

藤本宗将

ありがとう!栗田くんがどっちの意味解釈してほめてくださってるのか気になりますがw そう言ってもらえてうれしいです!

https://twitter.com/kurita_ma/status/1473893208283582465

かっこいいのか?・・・どんな気持ちでwって打ってるんだろう




◆ひ邊千佳@写真は老火鍋@setsukooo

社名かっこいい!早速みんなで由来をあれこれ想像してます笑。おめでとうございます!!!

藤本宗将

なべちかありがとう!年明けよろしくねがいします!解釈がろいろいあるのはいいことだと思っときます

https://twitter.com/setsukooo/status/1473921538856722433

早速みんなで由来をあれこれ想像してます が本当に気持ち悪い

自分会社のことだと思っていないのか?

悪い解釈をされていいことがあるのか?

100ワニやオリンピック問題で悪い解釈されていいことあったのか?




岡部将彦 Que / Quest/Creative Director/CM Planner@okavader

おめでとうございます

最高の社名ですねw

最初からその名前にしておけば、大抵のことが起きても叩かれなさそうw

藤本宗将

ありがとうございます!覚えがないことで叩かれそうな気もしますがw 寝ないでがんばります!(嘘です寝ます

https://twitter.com/okavader/status/1473900728414765059

どんな名前にしようと人が死んだら叩かれるのが当たり前だと思うが

遺族の人が見たらどう思うか?

社会人として当たり前の常識がわかっていない

こういう奴らがいろんな人たちが見る広告を作っていると思うと複雑になる

「人が死んでんのに自虐か知らんが、面白いと思ってるこういう馬鹿がおるからブラックなんだよな。」

という反応があったが、これが普通感覚だと思う

電通社員普通普通じゃない

誰でも見れるツイッターでこんな人格を疑われることを書くのは普通じゃない

全員検索したらプロフィール出てきた

藤本宗将(ふじもと・むねゆき

dentsu zero コピーライタークリエティディレクター1997年電通入社コピーライターとして多くの企業メッセージ開発に携わる。主な仕事は、ベルリッツちゃんとした英語を。仕事ですから。」、本田技研工業「負けるもんか。」、からだすこやか茶W「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」、トヨタトヨタイムズ」など。TCC最高新人賞TCC賞・ADCグランプリ・ACCグランプリ毎日広告デザイン賞最高賞など受賞。

日下慶太(くさか・けいた)

電通 マーケティングクリエティセンター コピーライター

1976年大阪まれチベットカシミールアフガニスタンなど世界中を旅をして電通入社コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、セルフ実行委員UFOを呼ぶバンド「エンバーン」のリーダーとして活動している。『商店街ポスター展』を仕掛け、佐治敬三賞を受賞。他、東京コピーライタークラブ最高新人賞ゆきのまち幻想文学賞など受賞多数。また、都築響一編集「ROADSIDERS' weekly」でも写真家として執筆中。ツッコミたくなる風景ばかりを集めた『隙ある風景』日々更新中。

栗田雅俊(くりた・まさとし)

電通zeroクリエティディレクターコピーライターCMプランナー

1981年岐阜県まれ早稲田大学教育学部卒業後、電通入社最近の主な仕事に、サントリー「話そう」「デカビタC・元気すぎるご当地キャラ」、宝くじビンゴ5、KINTO、Netflixリラックマとカオルさん」、パートナーエージェントドロンジョブラックジャック」、カシワバラ大規模修繕な人々」など。

渡邊千佳(わたなべ・ちか)

2010年電通入社2016年東京コピーライタークラブ最高新人賞を受賞した長崎自動車長崎バスシリーズ広告は、TCC賞とのダブル受賞となった。他、毎日広告デザイン賞優秀賞、日本民間放送連盟ラジオCM部門最優秀賞FCC賞、CCN賞、CCN最高賞、OCC賞、FCC最高賞、広告電通賞OOH部門最優秀賞など。山梨県出身

岡部将彦(おかべ・まさひこ)

1978年大阪まれ関西大学卒業後、2000年電通入社。 以降17年間、CMプランナーコピーライターとして数多くの広告を手がける。 2005年東京コピーライタークラブ最高新人賞をはじめ、広告賞を多数受賞。 東京コピーライタークラブ審査員、ACCラジオ部門審査員。 主な仕事に、トヨタ自動車「AQUA」「MIRAI」「PRIUS PHV」「C-HR」のテレビラジオCM。「ほっともっと」のリブランディング「やっぱり、お弁当屋さんのおべんとうはおいしい。」プレイステーション発売20周年特別映像「みんなのゲーム愛にありがとう。」「決断を迫る山田」「山田、全力のモンハンワールドごっこ」他、各種ゲームタイトルテレビCMを多数手がける。 近年は広告に限らず、ロックバンド マキシマム ザ ホルモン映像作品集(DVD)「Deka Vs Deka」の制作コミュニケーションなど、コンテンツ領域でも活動



電通社長社員SNSをやめろと言った方がいいのでは?

2021-07-15

ツインボーカル曲があるV系バンドについて

ハモリ、掛け合い大好き。

他教えろください

■2021/07/15現在

活動中】

wyse月森健一牧田拓磨) ※ツインボーカル曲が割と多い(後年にツインボーカルアレンジになった曲もある)

・UCHUSENTAI:NOIZ(ANGEL-TAKA、MASATO) ※ツインボーカル曲が割とある(例:Igni+ioN

BUCK-TICK櫻井敦司今井寿) ※ツインボーカル曲が少ないがある(例:IGNITER)

・GOTCHAROCKA(樹威、JUN) ※ツインボーカル曲が少ないがある

Kαin(幸也、SHIGE)

・Lacroix Despheres(男女ツインボーカル:翔、紗夜)

解散/活動停止】

SIAM SHADEHIDEKIKAZUMA

Mix Speaker's,Inc.(MIKI[ex.ISABELLEのKOUJI]、NIKA[ex.MoNoLithのケイタYUKIの後任]、YUKI

・ISABELLE(KOUJI、翔)

・MoNoLith(柳、ケイタ

・Carrot Vacation ClubRio、Serah)

・Veinrot(蓮、吏)※オフィシャルHP落ちてるため実質活動停止中と判断

2021-02-19

伊藤計劃ハーモニー」を語っているのは誰?

久しぶりに、伊藤計劃ハーモニー」読んだんだけど、少し気がついたことがあるので、

間違っているかもしれないけど、書いてみる。

ネタバレあるから、未読の人は注意ね。

長くなっちゃったので、3行でまとめると、こんなかんじ



ハーモニー」のETMLが文法的おかしいのは、生府の検閲から逃れるため。

ソースを見る」の状態未来人類が読んでいる状況を「ハーモニー」は表している。

それで、実は「ハーモニー」はミァハがトァンをかばうために書いた物語だった。


ETMLが、文法的に間違っている理由

色んな所で言われてるけど、この小説ファイル形式であるETMLは、文法的おかしい。

例えば、箇条書きでタグで両方から囲まなきゃいけない(HTMLなら<li>~</li>)のに、<i:~>と、タグの中に箇条書きの要素を書いたり、

皮肉っぽくQ&Aをしているところでも、<q:~><a:~>と書いていたりする。

それはもう、至る所で間違えている。

伊藤計劃XMLとかHTML文法に詳しくないってことはないと思う。たぶん、わざと間違えた。

じゃあなぜ間違えたのか?

もし、こういう文法間違いがあると、どうなるか。

もしHTMLなら、表示ソフト(ブラウザ、たとえばGoogle Chrome)であいまい解釈してくれたりするけど、

本来なら「文法おかしいので表示できません」とか、真っ白いページになるべき。

から、ETMLの文法おかしい「ハーモニー」も、ETML用表示ソフトでは何も表示されないことになる。

そうなったら、普通の人は見るのを止めるよね。でも、何人かに一人は、Google Chrome機能にあるような「ソースを見る」に似た行動をとる。

そうなると、タグがあって読みにくいけど、きちんと文章が表示されることになる。

その何人かに一人に読んでもらいたいために、文法として間違えたETMLで「ハーモニー」を書いた。

そういう、何人かに一人が読んでいる状況を表すために、伊藤計劃はETMLのタグ付きで「ハーモニー」を書いたんだと思う。

何のために、「ハーモニー」のETMLを間違えたのか?

そりゃあ、もちろん、ハーモニクス後の世界で、なぜハーモニクスが起こったのかを記録として残すため、だと思う。

もし、ETMLが正しい「ハーモニー」を書いたら、生府の検閲に引っかかって、消されるかもしれない。

から、ETML表示ソフトウェアに入力しても、何も表示されないようにした。

何人かに一人に気づいてもらえばそれでいいと思って、書いたんだろう。

誰が書いたのか?

でね、「ハーモニー」で文法的おかしい部分を読んでいたら、冒頭部分にこんな文章があるのに気づいた。

いまから語るのは、

 <declaration:calculation>

  <pls:敗残者の物語

  <pls:脱走者の物語

  <eql:つまりわたし

 </declaration>

ETMLのタグ意味はわからいから推測だけど、「declaration:calculation」で数式を宣言してると思う。

で、「pls」は加算記号+で、「eql」は等号記号=だと思う。

となると、「ハーモニー」を語っているのは、「わたし=敗残者+脱走者」ってことになる。

この定義に合うのは、「ハーモニー」では誰か?

真っ先に出てくるのはトァンだよな。本人がそう気取ってるし。

社会に馴染めなくて、負けるように、逃げるように辺境戦地に行って、

煙草やら飲酒やらをした。

でもさ、社会的にはトァンは官僚で、しかも本人が言っているように、高級官僚でありエリートだよな。

社会的には敗残者でも脱走者でもない。

じゃあ他に誰がいる?

一人いる。<次世代ヒト行動特性記述ワーキンググループ>の争いから敗れ、

チェチェンに逃亡した者が。

そう、ミァハ。

この物語は、ミァハが書いている。

なんで彼女が書けるの?

死んだはずのミァハが書いている。

すごく謎に思える。

でも、こう考えたらどうだろう?

ミァハは、トァンをかばいたくて、トァンを主人公物語を書いた。

実は、チェチェン意識が芽生えたのがトァンで、ヌァザの実の娘がミァハだとしたら。

トァンが、長老たちにハーモニクスをさせたいがために、全世界同時自殺を実行したとしたら。

その事実を後世に残さないために、トァンをかばうために、

ミァハが自分経験したことを、トァンが主人公になるように、

最大限つじつまが合うように「ハーモニー」を書いたとしたら。

じゃあ、書こうと思った動機は何?

そう思って読むと、つじつまが合わないところがある。

ハーモニー」は、全部で5日間の物語だよね。トァンがセラピーを受けるまでの猶予期間である5日間の物語

そのうち、日本で2日、バクダッド飛行機移動込みで2日、チェチェン飛行機もろもろ移動込みで1日。これで5日間。

なのにさ、バクダッドからチェチェンに出発する前に日本に立ち寄ってミァハの名刺を取りに戻った、と書かれてる。

バクダッド日本を往復するだけでもう1日かかるよね。これでは5日間を越えてセラピーを受けることになっちゃう。

時間的に間に合わない。

となると、トァンは5日間の内に実家に行ったことになる。トァンが誰かの家に行ったのは、ミァハの実家だけだよね。

日本バクダッドホテル名刺があるわけないし、飛行機の中にもあるわけないよね。

まり、ミァハの実家によった時に、トァンは名刺を手に入れたんだよ。

ミァハの実家なのに、トァンは名刺を手に入れることができた。何故か?

「ミァハの実家が、トァンの実家でもあった」とすると、説明がつく。

まり、ミァハとトァンは義理姉妹だった。

なぜミァハは13年前に錠剤を作れたか

ミァハとトァンが義理姉妹だと考えると、整合性が取れることが多い。

例えば、ミァハが13年前になぜ栄養を取らないようにする錠剤を作れたか、について。

錠剤を作るための技術に近かったのは、むしろトァンじゃん。何しろ父ヌァザがWatchMeを作ったんだし。

その気になれば知識はいくらでも入ったはず。でも錠剤を作ったのは、普通の家庭で養女になっていたミァハ。

いくらなんでもおかしい。

ミァハがヌァザの養女になっていたら、納得できる。いくらでも知識を得られるし、錠剤も作れる。

もう一つ、なぜ本というデッドメディア普通の家庭のミァハが持っていたかについて。

普通の家庭では存在も知らないはず。でも、ヌァザの養女であれば、冴紀ケイタでもわかるように、

本を持っていても不思議ではないし、それだけのお小遣いを持っていても不思議ではない。

そもそも名刺知識もヌァザから得られる。ヌァザがそういう人々とも交流があっただろうし。

そして、ミァハとトァンが義理姉妹なら、最初の段階で「もしかしたら必要になるかも」と考えて、

嫌だった実家に帰り、名刺を持ってくることもできる。

あと一つだけ、なぜトァンではなく、キアンを自殺させたのかについても説明がつく。

どちらを殺すか選択するとき義理とはいえ姉妹であったトァンではなく、キアンを選択した。

もちろん、後から呼び出すことや、行動力の差で選んだという可能性はあるけど、

一番の理由になるでしょ。

なぜ、姉妹であることを隠したのか?

最後に、なんで姉妹であることを隠して、別人であるかのように書かれたのかについて。


ハーモニー」で起こった殺人事件って、大きく分けて3件。


これだけの殺人事件の内、もしミァハとトァンが義理姉妹で、かつトァンをかばうために

ミァハが書いているのだとしたら、まずは全世界同時自殺自分のせいにする。

問題は、残り2件。義理姉妹のままだと、ミァハが自分父親殺害するのは

書いていて受け入れられたとしても、トァンが義理とはいえ姉妹殺害することになる。

トァンにとって、あまり聞こえは良くない。

そのため、義理姉妹であるということを隠すことにした。

そうすると、トァンは、自分目的を達成するために全世界同時自殺を実行し、

それに紛れて、こともあろうにかつての友人を自殺させ、

かつ相手父親殺害してもよいという指示を出すような、

頭が幼稚で非人道的なミァハを殺害する、ということにできる。

ミァハは、自分をそこまで貶めてまで、トァンをかばった。

なんでミァハは「ハーモニー」を書けたの?

DummyMeを入れているから。WatchMeからハーモニクス命令を実行したように見せかけることができる。

その上で、ETMLのシステムができたときに、「ハーモニー」を書いたんじゃないかな。

なんで、冒頭に手掛かりを残したの?

自分の思いを達成するためとはいえ、偽の歴史を後世に残すことになるので、

良心葛藤し、せめてもの償いに、わかる人にわかるように手がかりを残したんだと思う。

オールタイムベスト百合SFっていわれるけど、確かに愛だよね。

2020-09-17

「た」の付く男と無縁

なんとなく、「た」が付く名前の男は友達が多くてさわやかなイメージリョウタとかケイタとかシュンタとか。そんな「た」とは無縁だなぁ。

なんかじめっとした四文字名前の男ばかりが縁がある。ヤスユキとかヒロユキとかカズノリとか。

2018-11-11

夏の時間の終わり

配送仕事が遅くまで続いた日は近所のコンビニ唐揚げ弁当チューハイを買って胃に流し込んでから寝る。ケイタはずっとそうやって暮らしてきた。今日もそうやってベッドに体を沈めよう、そう思って帰った部屋には万能家事ロボット「キョウコ」がいた。

 

※ ※ ※

 

「始めましてケイタさん。万能家事AIロボのキョウコです」そう話しかけられてケイタは思い出した。先週スマホSNSで見かけたロボットモニターに応募したのだった。広告など普段は見逃すのに、ロボットの薄い緑色の瞳と淡い栗色の髪に惹かれてしまった。そして目の前に少女の姿で現れたそれは生き生きと動いていてとてもロボットとは思えない。

 

ケイタさん、お食事は買ってきたんですか?」ロボットに話しかけられて、ケイタは「あ、はい、いつもこれなんです…」と曖昧に返事した。そういえば部屋に帰って誰かと話すなんて慣れてない。いくらロボットとはいえ誰かが見てる前でいつものようにスマホ片手に食事するのも変だ。なんだか落ち着かない気分で黙々とご飯を食べる。自分にはロボットとの生活は向いてないんだろうか。

 

「あの、お風呂入るんですけど」食事ケイタロボットに言った。「はい、お背中しましょうか?」ロボットは躊躇なく、にこやかに答えた。笑顔が眩しい。「いや、あの、やっぱりいくらロボットでも女の子がいる前で着替えるの恥ずかしくて、どうしようかなって思ってて…」ワンルームの部屋には隠れて着替えする場所はない。女の子ロボットに来てもらったはいいが生活をどうするかなんて全く考えていなかったのだ。

 

はい、失礼しました。では本日はこれでお休みさせていただきますね。」少女は答えると、部屋の隅の3Dプリンター場所まで移動した。この前のボーナスで買った最新モデルで、小さな冷蔵庫くらいの大きさの物ならネットからデータを読み込んで数分のうちに組み立てる高性能モデルだ。「明日は朝からお伺いします。朝食はお作りしますか?」

 

お願いします、とケイタが答えると、少女おやすみなさい、と一言そえて3Dプリンターの樹脂ボックスの中に立った。カタカタという静かな音と共に少女は樹脂ユニット還元されていった。そうだな、あれはやっぱりロボットだったんだ。ケイタは妙に納得して、シャワールームへと歩いた。明日トーストがいいかな。ケイタパンの袋を棚の奥から前に出した。

 

※ ※ ※

 

「ケータ最近元気そうじゃねえか」運転席の西田先輩にそう話しかけられて、少女が来てから自分の変化に気づいた。「彼女でもできたか?」

「いやぁ、先月あたり家事ロボットが家に来てですね。生活リズムが整ったからですかね」

「へえ、よく聞くやつ。あれやっぱ便利なのか?」

「便利っていうか、生活に潤いが出ますよ。家に帰ると誰かがいるって思うと」

「ハッ!こりゃ当分結婚できねえな」

西田先輩に言われたくはないですね。と、軽口を言い返したものケイタの心に引っかかるものはあった。家にいる少女はやっぱりロボットだ。いつまでも頼っていたら彼女結婚も遠くなるばかりだ。今の自分は、まるで家電名前をつけて愛情を注いでいる哀れな独身男性じゃないか仕事を終えて少し肌寒くなった空を見上げながら、ケイタは考え込んでしまった。

 

「おかえりなさい。今日ケイタさんの好きな麻婆豆腐ですよ」家に帰るとロボットがいつもどおり夕飯を作ってくれていた。いつも今日あったことを話しながら楽しく食事をしている時間だが、今日からケイタは一人の生活に戻ることにした。スマホを片手に黙々と食事を取る。ロボットはいつもと違う雰囲気を察して、今日なにか嫌なことがあったのか、食事が気に入らなかったのか、など話しかけてくれたが、ケイタが何も喋らないところを見てやがて黙り込んでしまった。

 

「すいません、明日からまり喋らないようにしますね」ロボットはポツリと言った。「ああ、そっちの方が楽だね」ケイタスマホから目を離さず答えた。「必要なことだけ話してくれればいいか

はい、わかりました。今日は後片付けだけしたらお休みさせていただきますね」ロボットはそう返事したあと、一言付け加えた。「あと、明日モニターの最終日です。延長して契約いただけるようでしたら、アンケートに延長の回答していただけますか?」

 

モニターの期限は1ヵ月だったことをケイタは思い出した。これでもう終わりにしよう。ケイタは延長しないことをロボットに伝えた。ロボットがどんな返事をしたのかは覚えていない。ケイタはまるで味のしない麻婆豆腐を掻き込み、シャワー室に行った。

 

※ ※ ※

 

次の日は朝から小雨だった、体が芯から冷え込む。いつものトーストを平らげて出勤しようとすると、ロボットが声をかけてきた。「今日最後ですね。利用延長はしないことをセンター申請しました。でも、」ロボットが続いて語りかける。「もし気が変わったら、今日の夜11時までに、直接私に伝えてください。スマホから申請できなくても、私なら申請できます。」

ありがとう、でも延長はしないよ」ロボットにそう伝えて、ドアをあけた。ロボットは少し寂しそうに頷くと「了解です。今までありがとうございました。ケイタさんと1ヵ月過ごせて楽しかったです。」

そう答えた。

 

雨は昼を過ぎると本降りになってきた。道路が少しずつ混み始め、配送作業も思うように進まない。運転席の西田先輩も少し苛ついているようだった。「これじゃ寝る頃には日付変わっちまうじゃねえかよ。ケータには世話してくれる彼女いるからいいけどよ」

「いや、ロボットモニターもう今日で終わりなんですよ」

「まじかよ。寂しくなるよな。1ヵ月も一緒にいたんだろ?」

いやロボットですから。そう答えたものの、今までの1ヵ月、家に帰れば少女がいる生活にすっかり馴染んでいたことにケイタは気がついた。このまま少女を喪って、本当によかったんだろうか?

ロボットっつっても一緒に過ごしてりゃ家族みたいなもんだろ。俺の愛車みてえなもんだ。モニターったってせめて期間延長とかさせてもらえりゃいいのになあ」

その権利はつい昨日自分で捨てたのだった。いや、まだ間に合う。今日の夜11時までに、家に帰って少女に告げるのだ。もう少し君と過ごしたい。

 

日が暮れて雨は一層強くなってきた。荷物はまだ残っている。道路渋滞し、赤いテールランプが蛇のように列をなしている。家に11時までに帰れるだろうか?ケイタは少しずつ焦ってきた。最後荷物を届け終わったとき時計10時を過ぎていた。事務所パソコン日報を書き込むと、ケイタは矢のように事務所を飛び出した。今から電車に乗れば11時5分前に駅につく。そこから走れば間に合う・・・

 

しかし家まであと一駅のところで電車は突然停止した。先行車両の遅延が原因らしい。どうにか間に合ってくれ。スマホを握りしめたケイタ祈りも虚しく、電車の中で時刻は11時を過ぎていった。

 

※ ※ ※

 

ケイタはのろのろと暗い部屋を開けた。もう扉の向こうにキョウコはいない。ようやっと電気をつけ、すっかり濡れた服を脱衣所に放り込んだ。「キョウコ・・・ケイタは思わず一人呟いていた。「もう少し、君と暮らしたかった・・・

「おかえりなさい。お背中しましょうか」聞き覚えのある声が部屋の奥から聞こえてきた。まさか。もうキョウコはいないのに。そう思って振り返ると、そこには見覚えのあるキョウコの姿があった。

「キョウコ!11時になったらいなくなるんじゃなかったのか?」ケイタは驚きの声をあげた。「よかった、まだ間に合うんだ。延長したい、いや、ずっと一緒に暮らしたいんだ。いいかい?」

 

「もちろんです。ありがとうございます!」キョウコは晴れた空のような笑顔で答えた。「だって、まだ9時過ぎですから。間に合ってくれてよかったです。」そう、部屋の時計は21:21を指していた。ケイタはすっかり忘れていた。去年からのあの法律のことを。

 

20XX年、何度も廃案になったサマータイム法が成立した。その年から1111日 午後11時は2回時を刻む。

anond:20180906085723

2018-07-13

フォロワー買ってたので慌ててアカウント移行した自称プロブロガー

ケイタプロブロガー

‏@namakemono0309

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クロネ(旧アカウント

@kurone43

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2011-12-24

ハーモニー リマインダー

一度ハーモニーを読んだ人(=自分)がハーモニーの内容を思い出すためのもの

01

 いまから語るのは、「私」の物語

02

 高校生時代

 私は、同じクラスのミァハに話を持ちかけられる。大人になってwatchmeを入れられて、社会の一員としてからだを見張られる前に、パプリックエネミーにならないかともちかける。

 リソース意識、公共的身体の意識にあふれた、窒息しそうなほどの優しさをあびせかけてくる社会の敵になろうと。

 自分の体は自分ものなのだ世界に主張してやろうと。

03

 私は大人になり、WHO螺旋監察官をしている。

 その仕事をしていれば、自分の体を自分ものとして、たばこをすったり酒を飲んだりできるから

 

 しかし、こうしてミァハ的(自分の体を自分ものとする)な生き方にたどり着くまでに、大きなものを失った。それは、ミァハの命。

 高校生時代、私とキアンに、ミァハは一緒に死なないかと持ちかける。私たちがこの「優しい」「公共的身体」の社会から脱出するためには、それしかないように思われた。

 私の父こそ、この「優しい」社会を作りだした研究者の一人なのだと私がいったら、ミァハはどう思うのだろう?

 私はいま、酒をのみ、たばこを吸い、ミァハ的な生活をしている。

 でも一方、螺旋監察官として、「優しい「生府」」のある側に属して、「優しさ」を、それのない世界に広める仕事をしている。本当のミァハにはなれていない。臆病者だから

04

 螺旋監察官をしていれば、さまざまな種類の死が待っている。通常の人間には老衰しかありえないのに。

 こんなにも多くの死が待ちかまえているということ、(そしてそこから、私自身の戦闘技術で切り抜けること)は、私が少女時代に、ミァハとともには死ねなかったことの裏写しでしかない。

 高校生時代、私とキアンは死ねなかった。ミァハだけが自殺を成し遂げた。

 ミァハですら、わたしを殺すことはできないんだ。

 この優しさに満ちた、公共的身体の意識にあふれた社会は、誰の手によっても、どうにもならないんだ。高校生時代に、そういう諦めの境地に達し、私は死ぬことを挫折した。

05

 上司オスカーシュタウフェンベルクに、飲酒を見られる。

 そのため、私は日本に返される。

 だが、私が酒を飲んでいたことは、世間に知られるわけにはいかない。私は私自身の失敗を人質にとることができる。

06

 私は日本に帰ってくる。

 かつて私やミァハと一緒に死のうとしたキアンが空港に迎えにきてくれる。

 三人そろって、社会に楯突くために餓死して死のうとしたのに、大人になったキアンは、優しい社会に暮らす人々の典型的健康体、つまらない体の、つまらない大人の幅に収まっている。

 私はミァハにあこがれ、不摂生な生活をしているのに。

 ミァハが敵になろうとした「優しい」人々と、キアンは交流を持ち、社会リソースとしてボランティアをするようになっている。私はそういう人たちとは会おうとも思わないのに。

 私はだんだんミァハになっていた。生きていたらこうなっていただろうミァハに。

 キアンと一緒に、レストランで食事をする。と、

「うん、ごめんね、ミァハ」

 キアンはそう言い、突然に私の目の前で自殺する。

 同時に世界で、何千人もの人々が自殺していた。

2

01

 自殺したのは、スクナビコナ(北海道神宮とかとかとかにまつられる、酒とかとかとかの神。オホムチ大国主とペア)生府のアグリーメンツだった。

 キアンの死を直視したことと、謹慎として日本に返されたこと。この二つを理由に、私は螺旋監察官であるにも関わらず、自殺の同時多発事件の捜査に加われない。

 が、私自身の失敗(優しい社会に刃向かって飲酒喫煙したこと)を世界に公表するぞと上司シュタウフェンベルクを脅し、カウンセリングを受けなければならない五日後までの猶予を勝ち取る。

02

 無数の自殺者のなかで、キアンだけが意味のある言葉

「ごめんねミァハ」を遺して死んだ。

 だから私は、ミァハの両親宅を訪れた。

 ミァハの母レイコは、ミァハを立派な社会的リソースにできなかったことを悔いている。自殺願望のある子に育ててしまったことを悔いている。

 ミァハはレイコ遺伝子的な子供ではなく、チェチェン戦争孤児だったと知らされる。

 そしてミァハが自殺後、献体されたことも知らされる。

 献体された研究者は、ヌァザ――私の父。

03

 キアンが死ぬ直前、彼女との食事の回想。

 キアンの告白

「ミァハが作った薬を飲んでいると、私の体がみるみる変化(ルビ:餓死)していく。「優しい社会」が提供する医療に浸りきった私は、体は恒常的なものなのだと思っていた。こんなにも変化するものなのだとは思ってもいなかった。だから恐ろしくなり、私たち三人がしていることを親に相談した。でも、そのとき、ミァハは変化しきっていた。死んでいた。だめになってた」

 私は、

「私がこうして生きているのは、キアンのおかげなんだね。アルコールたばこで体を傷つけられるのはキアンのおかげ」

 キアンは、

「トアンは、どうして私がキアンと友達になったのか聞いたよね。私だって、ミァハと同じように、あのころ世界に息苦しさを感じていた。リソース意識なんて冗談じゃないって。……でも、ミァハと友達になった本当の理由は、たぶん、バランサーを気取っていたからだと思う。ミァハが言っていた、死んじゃおう、とか、誰かを殺しちゃおうっていうのを、踏みとどまらせる役になろうとして、友達になったんだ」

 そして、キアンの葬儀彼女はこれから液体になり、社会リソースになる。

 父はバグダッドにわたっていた。

 一方、父の共同研究者ケイタは、日本に残っていた。

 ケイタは、「意志というものは、競いあう欲求のどれを選ぶのかを決定する主体」という。

 ヌァザの研究は、人間の欲望や意志を制御するものなのだともケイタは教えてくれる。その研究を進めるために、バグダッドに渡った。

 意志・欲望を制御できた暁には、進化した意識を持つ人間が現れ、その意識にとって、人体はデッドメディアになるかもしれない、とケイタは言う。

 精神こそが、人体を生きながらえさせる手段なのかも。肉体にとって精神がデッドメディアになるときがくるかもしれない。と私。

 上司シュタウフェンベルクに、私の行動を報告せずにいると、

いつまでも「失敗」を人質にして自由に振る舞えると思うな」と、ARの電話口で叱責される。――電話をして、うつむいている私。

 キアンも、死の直前、うつむいていた。死の直前、彼女もARで誰かと話していたのではないか

 螺旋監察官の権限で、キアンの通話記録を見る。思った通り、彼女電話をしていた。

「ううん、ごめんね、ミァハ」

 そう言った相手は、ミァハ本人――ミァハは生きていた。

 ミァハ曰く、

「善とは恒常性のこと。

 現在ほど、世界恒常性に満たされた時代はなかった。

 昔は王様がいて、王様を殺せば世界を変えられたのに、民主主義以降、みんなが互いに互いを律するようになったから。優しさのおしつけあっこ。

 私たちは、そんな社会から飛び出して、自分自分を律しようって誓いあったよね? キアンもトアンも。

 その勇気を、いますぐ見せて」

 そう言われて、キアンはキアン自身の体を殺したのだ。

01

 名刺――プライバシーという言葉が、まだいやらしい意味ではなかった時代個人情報を個人が隠し持つことを許されていた時代に、個人情報を相手に手渡す手段。

 友達になった私とキアンに、ミァハはそれを渡してくれた。

 インターポールりイアン・ヴァシロフも、初対面の私に名刺自己紹介した。

 そのとき世界は、あの集団自殺のせいでゆがんでいた。

 優しさを与えあう社会、互いに互いを信頼しあう社会

 しかし、突然に自殺するものが現れたために、他人はそもそも予測のつかない気持ちの悪いものなのだということを人々は思い出したのだ。

 ヴァシロフが調査しているのは、WatchMeを介して人体に不正アクセスすることが可能な組織

 その組織は、再び人類が〈ザ・メイルストロム〉に陥らないように、人類監視しようということを大儀銘文としている。

 しかし、その組織内の、その信念に反する一派が、今回の大量自殺引き起こしたらしい。

 ヴァシロフとの車中、テレビでミァハが人類に宣言する。

「一週間以内に、誰か一人を殺してください。それができない人には死んでもらいます

02

 ミァハが、大量自殺と宣言によって作った混乱。

 そして、生府が醸し出す、息苦しい空気

 それらについて思いを巡らせているうちに、「医療ドバイ」、バグダッドにつく。

 そのころ、世界で、宣言に促された他殺、宣言から逃れるための自殺が頻発する。

03

 バグダッドガブリエル・エーディンと会う。

 彼女曰く、

人間価値判断は、指数的な合理性ではなく、双曲線的な非合理性。合理性と非合理性の争いが、意識である

04

 私のホテルの部屋に、ARではない、紙の書き置きがある。

「アブー・ヌワース。ARなし、盗聴なしで」

 アブー・ヌワースの人々は、WatchMeを人体に入れておらず、様々な病気にかかり、早死にする。

 アブー・ヌワースの食事は、生府に管理された世界のそれと違って、カロリーカフェインアルコールハレンチなほど。

 そのアブー・ヌワースに、父ヌァザがいた。彼が渡しに書き置きしたのだ。

05

 父は、ミァハの死後に、研究に没頭するために、私と母を残して家から去ったのだった。

 その父と、バグダッドで再会する。

 父の研究は、ヴァシロフが調査する組織で行われていた。父は組織の一員だった。

 組織人間意識を保持する能力を保持しているのは、再びザ・メイルストロムのようなことが起きたときに備えてのことだった。

 組織の上層――ザ・メイルストロムを生き延びた老人が望んだ世界。それをミァハは唾棄した。

 当時、多くの子供たちがミァハと同じように自分の体を傷つけるようなやり方で自殺を試みていた。この「優しい」社会ストレス限界にいる子供たち。それは、利ソース意識にあふれたこの社会の、対処するべき社会問題だった。彼らですらコントロールできるように、父らの組織システムを組もうとしていた。

 キアンの告発によって辛くも生き残ったミァハは、自殺性向のある子供として、組織モルモットになっていた。

ハーモニープログラム』。それには、老人たちですら二の足を踏むような重篤な副作用があった。

 それを実行すると、人類から意識が消滅する。

06

 意識が消滅するのはハーモニープログラムを実行すると、人間の非合理性が合理性と迎合し、葛藤がなくなるため。

 結局、プログラム人類に実装されてはいものの、第二のメイルストロムまでは実行されないものとする。そういう折衷案を老人はとった。

しかし、なぜミァハはそれを実行しようとしているの」と私は問う。

「ミァハの意識は、戦争の渦中、自殺を行うために後天的に獲得されたものだ。そして――」

 父の説明の途中で。ヴァシロフが現れる。

 ヴァシロフはインターポールとしてではなく、組織の一員としての仕事をこなすために現れた。彼は、組織の中でも、父と対立するミァハ派の一員だった。

 父は主流派のリーダー格。主流派の結束力を弱めるため、ヴァシロフは父をねらっていた。父がでてくる好機を作り出そうと、娘の私を泳がせていたのだ。

 ヴァシロフらミァハ派の目的は、人類を正しい調和へと導くこと。

 ヴァシロフは私の銃弾を食らい、父は私をかばってヴァシロフの銃弾を食らう。二人とも死ぬ。

 死の間際、ヴァシロフは、ミァハがチェチェンにいると私に告げる。ミァハの生まれ故郷に。チェチェンの、〈対ロシア自由戦線〉に。

01

 高校時代の回想。

 日本の、学校という権力のなかに、私もミァハもキアンもいた。

 ミァハは、「私は前、こことは別の権力に従わされてた。地獄だった。向こうにいたら、銃で殺される。

 でも、こちらがわにいたら、優しさに殺される。どっちもどっち。ひどい話だよね」と。

 ミァハの宣言により、世界の各地で殺戮自殺心中が頻発している。

 その問題についての、螺旋監察官会議(ARセッション)。

 わたしはシュタウフェンベルクに、これまでの捜査経過を報告したい。

 しかし、どこまで情報をつかんでいるか組織スパイされないために、セッションシュタウフェンベルクとの二人きりに切り替える。

 と、シュタウフェンベルク彼女自身が組織の一員なのだと明かす。

 ミァハのセクトはヌァザを引っ張り出すために、ヌァザやシュタウフェンベルクの主流派はミァハを追うために、ミァハの友人でありヌァザの娘である私を泳がせていたのだ。

 私が自由に行動できいていたのは、「失敗」を利用できていたからではなかったのだ。

 シュタウフェンベルクら主流派はミァハと接触し、どうして人々を自殺させているのかを聞き出したかった。

 チェチェンにいる螺旋監査官、ウーヴェに協力を要請する。

02

 チェチェンのウーヴェと会う。

 ウーヴェは、ミァハがいるはずの〈対ロシア自由戦線〉との人脈を持つ。

 ウーヴェは、私と同じようにも「優しい」社会に息苦しさを感じ、そこから逃げ出すために螺旋監察官になった男だった。

 ウーヴェが呼び出した現地の少年、〈対ロシア自由戦線〉のメッセンジャーに、私は「紙」を渡す。

 すぐに、〈対ロシア自由戦線からの返事がくる。

 一人で、ARの通じない山を登れ、と。

03

「優しい」社会では感じられない、身体の不自由さを意識させられながら山を上る。

 進化のつぎはぎでしかない身体を意識させられる。そして、私の感情も、私が私であるという思いこみも、進化の結果でしかないのた。

 バンカーの中、ミァハと再会する。

 ミァハが私に会おうと決めたのは、少年が持ってきた「紙」が、かつてミァハが私にくれた「名刺」だったから。

「ミァハが自殺に追いこんだ人たち、それに、父さんとキアン。誰も死ななくてよかった」と私。

「そう。死んでいい人なんていなかった。そして、これ以上死人を出すわけにはいかない。でも、こうでもしないと老人たちはボタンを押そうとしない。

 私たちの望みは、人類ハーモニクス

04

 高校時代、ミァハの自殺の直前、彼女の持ち物の本を火葬した、それを私が手伝った思い出。

 私たち三人の死が、世界に対する一撃になるはずだった。

物語のコア〉

 ミァハは、

「私の意識は、ここの、チェチェンバンカーで、性的暴力という人間の野蛮によって生み出された。

 でも、人類が持っているはずの野蛮を押さえつけようとする「優しい」社会では、人間が壊れていく。自殺していく。

 私は世界の人々を愛している。この世界に、人々がなじめずに死んでいくのなら、彼らは生きるために、人間という意識であることを突破しなければならない。意識という、進化上のその場しのぎの機能を取り払って生きなければならない。

 ……組織の老人たちは、『意識の停止』を死と同義と受け取った。だからボタンを押そうとしない。私の民族のように、意識のない存在だっているのに。

 それでも、世界がめちゃくちゃになりそうになったら、老人たちは意識の消滅、ハーモニクスボタンを押すはず。

 私は、毎年無為に命を落としていく何百万の魂のために、魂のない世界を作ろうとしたの」

〈/物語コア〉

 私は、

「ミァハは戻りたかったんだ、意識のない風景に。……じゃあ、それを奪うことは、父さんやキアンを奪われたことに対する、ささやか復讐になるかな。

 あなたの望んだ世界は実現してあげる。

 だけど、それをあなたには与えない」

epilogue

 そして、人類意識を失った。

 
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