「33人は無事」と書かれた紙を見せるピニェラ大統領=昨年8月、サンティアゴ、平山写す チリ北部コピアポ近郊の鉱山落盤事故で、33人の作業員全員が無事であることを地上に伝えた紙切れを書いた作業員が、「ピニェラ大統領があの紙を独り占めしている」と、紙の返還を求めている。当局は「博物館に残したい」と、返還には応じない姿勢だ。 奇跡的な救出から7カ月余。地元メディアによると、ピニェラ氏は救出直後に欧州を歴訪した際も、各国の首脳らにこの紙片を見せて歩き、今も手元に置いている。 紙片を書いた作業員ホセ・オヘダさんは「返還を求めピニェラ氏に面会を申し入れたが断られた。思いの込められたあの紙を、家族の元に置きたい」としている。これに対し当局側は「あの紙片を含め、救出に関係するあらゆる物を博物館に展示して、チリ中、世界中の人々が見られるようにするべきだ」と説明している。(コピアポ=平山亜理)