逆転野球人生 栗山英樹・29歳の早すぎる現役引退、テスト入団の国立大生が日本代表監督になれた理由【逆転野球人生】 誰もが順風満帆な野球人生を歩んでいくわけではない。目に見えない壁に阻まれながら、表舞台に出ることなく消えていく。しかし、一瞬のチャンスを逃さずにスポットライトを浴びる選手もいる。華麗なる逆転野球人生。運命が劇的に変わった男たちを中溝康隆氏がつづっていく。 注目度が高い“異色のプロ野球選手” 「キミはいいセンスをしている。もう少しがんばればプロでもやれるぞ」 『プロ野球ニュース』のキャスター佐々木信也氏は、息子が出る大学の練習試合を観戦に行った際、対戦相手で3本のヒットを打った若者に、そう声を掛けたという。その選手こそ、東京学芸大の栗山英樹である。 投手としては4年間で25勝8敗、投げないときは野手として打率.395をマーク。身長174センチ、体重72キロの小柄な体型だったが、5