甲州市勝沼町のJR中央線勝沼ぶどう郷駅近くにある鉄道遺産「大日影トンネル」で、飾られた17体のオブジェが波紋を広げている。市内の彫刻家が市に寄贈したものだが、トンネルを近代産業遺産として整備してきた地元の住民たちは「鉄道遺産と関係のない個人の作品をなぜ飾るのか。トンネルは美術館ではない」などと反発している。 大日影トンネルは、中央線八王子~甲府間が開通した1903年から97年まで使われた。2005年にJR東日本から旧勝沼町に譲渡され、甲州市が引き継いだ。市はトンネル内に遊歩道を整備し開放している。 トンネル内にはレールが残り、天井や壁には蒸気機関車のすすがこびりついている。明かりも大半が当時の設備のままで、鉄道ファンらの人気を集めている。トンネル内を進むと、突然、作業員の待避所だった場所に、塩山御影石で作られたオブジェが現れる。薄暗がりで、明治時代に製造されたレンガを背景に、オブジェがライ