孫崎の例のトンデモ本について、在日朝鮮人の立場から一つ言っておきたい事がある。同書では岸信介が対米「自主派」としているそうだが、そもそも岸は日帝傀儡国家である満州国の実権者、すなわちアジア侵略の急先鋒の一人だったという事だ。韓国の朴正煕(満州軍軍人の親日派出身であり、言うまでもなくその娘は現韓国大統領選有力候補)政権と日本の間で植民地支配の責任追及と賠償がおざなりにされた不平等条約である日韓条約が成立したのも、朴と岸をはじめとする「満州人脈」がものを言ったのは周知の事実である。岸信介を代表とする旧満州国支配者達と朴正煕ら朝鮮人の満州系親日派達は旧知の間柄だったからだ。 1945年8月15日の日帝敗戦後、アメリカ占領軍は昭和天皇を含む旧大日本帝国の高級人脈のかなりの人数を自らの手駒とする代わりに免罪した。巣鴨刑務所から出所して、弟の栄作とマグロのトロを肴に祝杯を挙げた岸信介という人間は対米