きのうの記事では炭素税と国境調整税を一緒に説明してわかりにくくなったので、後者をきちんと説明しよう。トランプの「メキシコに対する35%の関税」というのは時代錯誤の保護主義だが、共和党の「国境調整税」はそれとは別である。 共和党の税制改革案は、正確には目的地キャッシュフロー税(Destination-Based Cash Flow Tax)と呼ばれる法人税の改革で、ブッシュ政権のころから提案されている。共和党系シンクタンクによると、その内容は次の5つである: 法人税率を20%に下げ、付加価値に課税する 減価償却を廃止し、投資はすべて経費として控除する 海外の利益には課税しない 支払い金利は経費として控除しない 税率は国境調整する DBCFTの最大のねらいは法人所得税の廃止で、国境だけで課税するのではなく、すべての企業のキャッシュフローに課税する。アメリカの法人所得税は35%と高く、その一方で