ちまたで賛否両論が激突しているこの話、要するに「カメラシステムだけで十分安全が確保できる派」と「それでは不十分なので、ミリ波レーダーは残すべき派」の対立構造になっている。乱暴に言えば「危なくない派」と「危ない派」ということになる。まあこれを読み始めた人は、おそらく筆者がテスラのミリ波レーダー廃止を真っ向否定することを期待しているだろうと思う。けれどもこの話はそんなに単純ではない。 分かりにくい話なので、結論から言えば、長期的にはセンサーの種類は減らした方がいい。理由は後述するが、この件に関してのイーロン・マスクの主張は正しい。だが、それはあくまでも長期のビジョンとしての話だ。いまいまの話として、ミリ波レーダーが不要かどうかはまた別の話である。 「空振り」を許容していいか? 理由を説明していこう。「ミリ波レーダーを廃止するのは危ない」と言っている人は、要するにカメラだけでは検出できない対象が