国にしろ、会社にしろ、家族にしろ、人が集まる組織においていちばん重要なことは「飯が食える」ことだ。経済的な基盤はすべてに優先する。「衣食足りて礼節を知る」というではないか。 私は、むかし職を転々としていたころ、本当に貯金が底を尽き、スーパーの野菜を盗もうかとおもうほど貧窮したときがあるから、人間なんてそんなものだよなと思う。(まあ幸い泥棒はしなくて済んだが) 日本という地域に住む人たちがこれからさき飯を食べ続けることができるのだろうか?というのが根本的な質問だ。国という言葉はナショナリズムという揮発性の高い燃焼物と結びつきやすいので、あまり好きではない。実在するのは、日本列島という地理的存在であり、そこに住み続けている人たちである。現在日本に住んでいる人たちの圧倒的多数が、先祖代々日本に住み続けている「日本人」と呼ばれるエスニックグループである。かれらは、日本文化という高度に洗練された文化