1月8日早朝、ウクライナ航空の旅客機がイラン・テヘランのホメイニ国際空港を離陸してから7分後に墜落、乗員乗客176人全員が死亡するという事件が起きた。当初、イラン政府は事故だと主張していたが、11日になってイラン革命防衛隊(IRGC)のサラミ司令官がミサイルで誤射したものと認め謝罪した。 翌12日に米ニューヨーク・タイムズが公表した7分間の再現映像によれば、午前6時12分に離陸した同機は3分後にミサイル攻撃を受けていた。 今回の誤射について、イラン政府はIRGCの精鋭部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害という米国の行動によって緊張が高まったために起きたと説明している。だが、誤射の犠牲者に多数のイラン人が含まれていたため、イラン国民の怒りは激しく、追悼デモが拡大するなど反政府の動きは本格化している。イラン政府にとって致命的となるリスクが出てきた。 イランを窮地に陥れたグローバルな監視体制
イランの最高指導者、ハメネイ師 。1月8日に、イラクの米軍基地を弾道ミサイルで攻撃した後、「米国に平手打ちを食らわせた」と語った(写真:IRANIAN SUPREME LEADER'S WEBSITE/AFP/アフロ) 米国とイランの対立が年明けから突然激化しました。1月3日に米国が、イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官を殺害。これに対しイランが同8日、イラク国内の米軍基地を弾道ミサイルで攻撃し、報復しました。米軍がこれに軍事力で対抗するのか――に世界中が注目する中、ドナルド・トランプ米大統領は同8日、「武力は使いたくない」と発言し、軍事攻撃で応じる意図はないことを示しました。事態の突然さと展開の速さに驚きました。 菅原 出(すがわら いずる) 国際政治アナリスト、危機管理コンサルタント 1969年生まれ。中央大学法学部政治学科卒。93年よりオランダに留学し、
ここ数年、ISはその領域の多くを失いましたが、地下に潜って活動しています。米軍がシリアから撤退すると、その空白を突いてISが再び力を取り戻す可能性があります。 我々は同様のことを別のテロ集団でも目にしましたよね。アルカイダです。指導者ウサマ・ビンラディンを殺害しても、そのイデオロギーは今も生き続けています。 また、ISが短期間で勢力を急拡大させた事実を思い出してください。その理由の一端は米軍がイラクから短兵急に撤退したことにあります。同じことがシリアでも起こりかねません。もちろん当時のイラクと今のシリアとでは事情が異なる部分はあります。しかし、無法地帯であることに変わりはありません。 ISが力を取り戻しても、その活動のありようは今までとは異なるかもしれません。その領域を失っているからです。ただし、彼らは依然として攻撃力を保持しています。 トランプ大統領は10月6日、一度はシリアからの撤退を
安倍首相が6月12~14日にイランを訪問し、同国の首脳と会談した。「訪問は成果が上げられなかった」との見方がある一方で、日本エネルギー経済研究所の坂梨祥氏は、ハメネイ師が安倍首相に「あなたとは話をしよう」と語った点を高く評価する。その理由はなぜか。今後、どのような展開があり得るのか。 (聞き手 森 永輔) 安倍晋三首相が6月12~14日 にイランを訪問し、最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師およびハッサン・ロウハニ大統領と会談しました。同国と米国との緊張を緩和するのが目的でした。米国は、イランと米英独仏ロ中国が締結した核合意から離脱し、イランに「最大限の圧力」をかけ続けています。坂梨さんは、このイラン訪問をどう評価しますか。 坂梨:安倍首相を批判する向きもあります。ハメネイ師が安倍首相に対し「トランプ氏は意見交換するにふさわしい相手ではない」と語り、米国との対話を拒否したのを重視してのこ
トルコの通貨「リラ」が暴落。年初に比べてすでに40%安となった。 5年前1リラは約55円、今年初めは30円、それが18円にまで落ちた(8月17日現在)。対ドルで見ると2013年には1ドル=約1.8リラだったが、13日には1ドル=7.2リラとなり最安値を更新。輸入する石油のリラ建ての価格などが大きく値上がりし、国内でさらなるインフレを招いている。 原因は、「アンドリュー・ブランソン牧師」をめぐる米国とトルコの確執とされる。トルコは同牧師が、2016年に起きたクーデター未遂事件を支援したとして拘束していた。トルコは同牧師を自宅軟禁に移したが、米国の態度は和らいでいない。だが実は、両国にはこの問題以上の懸案があり、ブランソン牧師の解放だけではリラ安に歯止めがかからない可能性が大きい。 トルコ第2の国営銀行に巨額罰金の懸念 最大の懸案は、トルコによる「イランへの経済制裁破り事件」だ。米国で今年5月
米国のドナルド・トランプ大統領は、日本時間の4月14日に、英仏とともにシリアの化学兵器貯蔵施設などをミサイルで攻撃した。米軍は100発を超える巡航ミサイルを発射。米英仏は、「アサド政権が4月8日、ダマスカスの東にある町ドゥマで、塩素ガスなどを使った攻撃を実施。子どもを含む約50人が死亡し、約500人が重軽傷を負った」と主張している。 シリア政府と同国を支援するロシアは、米軍などのシリア攻撃を強く非難。ロシアはこれまで「アサド政権は、過去に保有していた化学兵器を完全に廃棄し、現在は持っていない」と主張している。国連で米国とロシアが非難の応酬をする光景は、1980年代を想起させる。筆者がこのコラムで「東西冷戦が再来した」と主張したように、シリアを舞台とする欧米とロシアの対立は深まる一方だ。 イスラエルがシリアのイラン基地を爆撃 シリアで大きな問題となっているのは、化学兵器だけではない。現在、欧
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