結論を先に言えば、そういう人たち(課税所得が650万円以下の世帯)は所得税を2割しか払ってません。家族構成にもよりますが、地方税や社会保険料など全部合わせても3割ちょっとしか負担しとらんのです。 世界的に見ても、日本の潜在負担率は50%ほどで、しかもその大部分は高所得者と法人税で賄われており、中産階級以下の税負担率は日本は先進国でも低い部類なのです。 たいした税負担をしていないのに「減税だ」と文句を言う人たちにとって、必要なのは「減税」ではなく「給付」なのです。そして、社会全体からすれば、子どもを生まない世帯年収650万円以下の人たちは、社会にとってお荷物とも言えます。 もちろん、人によっては出産を控えているとか、不幸にして失業してしまったとか、怪我をして働けなくなったとか、親の介護で仕事を辞めざるを得なかったとか、事情があるでしょう。そういう人たちをどうにかするために、税金があり、セーフ
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 新刊『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」 取材NG最深部の全貌』が発売中。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事
中国社会の少子高齢化の趨勢がますます鮮明になりつつある。10月21日に公表された最新の調査データによれば、中国の60歳以上の高齢者のうち独居または配偶者のみと生活している(子供や親族などの同居人がいない)比率が、2021年時点で全体の6割近くに達したことがわかった。 この調査は全国規模で5年に1度行われる「中国の都市・農村部の高齢者生活実態サンプル調査」で、今回が5回目。中国民政省、全国老齢工作委員会、国家衛生健康委員会などの所管部門が合同で2021年に実施した。 独居または配偶者のみと生活している高齢者は、中国では「空巣老人」(訳注:雛鳥が巣立って親鳥が取り残された状態にたとえた比喩)と呼ばれる。今回の調査によれば、高齢者全体に占める空巣老人の比率は59.7%に上り、2010年と比べて10.4ポイント上昇した。 介護の担い手が不足 その内訳を見ると、独居者は高齢者全体の14.2%、配偶者
結局「産めや、増やせや、お国のために! ひとつよろしく!」と、若い女性たちに圧をかけ続けているだけ。その影響もあるのでしょう。若い女性たちの半数が「結婚をした方が良いとは思わない」と答えるありさまです。 日本経済新聞が実施した調査で「結婚はした方が良いと思うか」に、「思う(そう思う・少しそう思う)」と回答した人は51.5%。年齢別に見ると、40代以上では約7割が肯定的なのに対し、20代30代は5割未満です。性別では、女性の方が低く、30代女性では「そう思う」はわずか9%。たったの9%です(2022年11月22日付日本経済新聞朝刊「縮小ニッポン、私たちの本音 男女1000人アンケート 『結婚良い』20・30代、半数切る」より)。 また、上記の調査で「結婚が減っているのはなぜだと思うか」の問いには、「若年層の収入・賃金が低い」が6割超でトップでした。 メディアでは「賃金アップ!」「若手ほど手厚
30年のキャリアを誇る経営戦略コンサルタント。情報分析や業界分析に強く、未来予測やイノベーション分野が得意領域。一方で雑学にも強く、経済エンタテナーとして各方面に寄稿。経済クイズ本『戦略思考トレーニング』シリーズは20万部を超えるベストセラー。マスコミ関係者の地下クイズ集団『夜会』のメンバーとしても活躍。 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 経済誌をにぎわすニュースや日常的な経済への疑問。そのときどきのトピックスについて経済の専門知識を縦軸に、社会常識を横軸において、ナナメにその意味を考えてみる。 バックナンバー一覧 前澤友作氏や堀江貴文氏が根絶を訴えたSNSでの詐欺広告に対してメタ社が発表した公式声明が議論を呼んでいます。「なめてんの?」という批判も集まるその内容を見るうちに、メタ社の“なめた対応”が日本で通用する「日本社会の不都合な事実」が見えてきました。(百年コンサルティング代表 鈴木貴
ソウルに住む義弟の奥さんから連絡が来た。その連絡を聞いて喜んだのは、うちの子供たちだった。 特に4年生の次男と1年生になった末娘は、いとこも自分たちと同じ兄妹のような感覚でいる。 以前から、義弟夫婦が姪っ子を連れて遊びに来ることを知ると、「妹が来る!」と友達や先生たちに嬉しそうに話していた。 娘は去年「いとこ」という言葉をまだ覚えていなかった。 インターネット授業の先生に「妹が遊びに来るの。私の妹はいつも一緒に住んではいないけど」と話しているのを聞いたときは、焦って「いとこです」と横から声だけ割り込んだ。 何か訳アリの家族のように聞こえてしまうではないか。 平凡な微笑ましい家族に見えるが、実は筆者の家族は韓国では貴重な存在なのだ。 韓国では日本よりも急激に少子化が進み、2022年の出生率は0.78で、今年の予想出生率は0.68と衝撃的な数値が発表されている。 娘を連れて買い物などに出かける
3月10日、X(旧Twitter)に都内を走る電車のシートでトコジラミを見つけたという投稿があり、大手メディアも取り上げて騒ぎになった。刺されると激しい痒みが1週間も続き、駆除も難しいといわれるトコジラミだけに、世間の注目度も高い。 日本では戦後の衛生環境の改善でトコジラミの被害は激減していたが、2010年ごろから再び増加傾向にあるという。SNSにもトコジラミの目撃報告をはじめ、駆除方法、体験談などがあふれているが、その中で「トコジラミはバルサンを炊いても奥に逃げるだけで倒せない」「普通のバルサンを炊くとトコジラミは駆除できず生息場所を広げてプロの業者も対応が難しくなる」といった内容の投稿を見つけた。 バルサンといえば、1952年の登場以来、メーカーは変わりつつも70年以上にわたって使われてきた、くん煙剤の代表格だ。「隅々まで効く」のテレビCMを覚えている人も多いだろう(注:当時は中外製薬
ますともたけひろ/中国・ASEAN専門ジャーナリスト。カリフォルニア大学サンディエゴ校で国際関係の修士号を取得後、中国の経済メディア「財新」で国際ニュースを担当。シンガポール国立大元研究員。アジアのいまを、日本語、英語、中国語、インドネシア語の4カ国語で発信中。掲載メディアは東洋経済オンライン、NewsPicks、Nikkei Asia、South China Morning Post、Straits Times、Jakarta Post、Kompas、Tempoなど多数。 Twitter: @hiromocean note: https://note.com/tmasutomo News&Analysis 刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。 バックナンバー一覧 最
プロフィール:神樹兵輔(かみき へいすけ) 投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。 「50人に1人」がひきこもり 内閣府が2022年11月に行った無作為抽出アンケートによれば、15~39歳で2.05%、40~64歳で2.02%が現在「ひきこもり」状態にあります(アンケートには15~39歳の約7,000人、40歳~64歳の4,300人が回答)。 ここから全国推計に換算すると、15~39歳が62万人、40~64歳が84万人となり、
岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」。年間3兆5000億円規模の財源が必要で、実質的な増税が懸念される。現役世代からのブーイングが止まらない。 「児童手当の拡充」などがその柱だが効果は期待できそうにない。少子化の本質は「結婚をしたくてもできない不本意未婚」男女が多いことだ。男性の5割、女性の4割にも上る。 恋愛強者はわずか3割。職場恋愛が盛んな時代は「普通の人」でも結婚のチャンスは多かったが、いまでは手を出せば「セクハラ」で訴えられる。独身研究家の荒川和久氏に、少子化のソリューションを聞いた。 (湯浅大輝:フリージャーナリスト) 子育て支援≠出生数増 ──岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」が的ハズレなのはなぜでしょう。 荒川和久氏(以下、敬称略):子育て支援と少子化対策は別物です。子育て支援それ自体は否定しませんが、少子化対策という名の下での子育て支援ばかりに集中しすぎていて、少子化
10月になり、連休明けの韓国は一気に気温が下がった。韓国では本来、旧暦の8月15日が「秋夕(チュソク)」と呼ばれる一番大きな名節だった。家族みんなが集まって祭事をする日で、ソウルに住んでいる人が一斉に田舎に帰る民族大移動の日でもある。 筆者が韓国に来た20年前は、秋夕前日からの3日間は国全体が休みで、買い物も外食もできなかった。 旧正月の時期も同様で、韓国の観光ガイドには「この時期に来てもお店はほとんど開いてませんよ」という注意書きまであった。 しかし、そんな伝統はいつしか消えつつあり、連休中は海外旅行に行く人も増えた。特に、今年のチュソクは陽暦の9月28日で週末にかかる、そのうえ10月3日の火曜日は「開天日」という神話上の建国記念日である。 チュソクの連休の何日か前に、突然「今年の10月2日は公休日になりました」というプリントが学校から配布され、「えっ!今年は6連休なの?」と驚く筆者であ
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 新刊『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」 取材NG最深部の全貌』が発売中。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事
韓国で「反国家騒動」が勃発…! 韓国メディアでは事あるごとに、「日本」に「反省」を促す記事を見かける。 しかし、韓国メディアが韓国民に反省を促す記事を見たことはあまりない。 最近でいえば、文在寅政権によって日韓関係はもちろん、韓国経済や、韓国と諸外国の外交関係も破壊されたわけだが、「韓国国民が選んだ大統領」という点で国民に対して反省を促す報道はほとんど見たことがない。 たとえば韓国では2011年9月27日、サッカーのアジアチャンピオンカップでの「日本の大地震をお祝いします」と垂れ幕を出したことがあったが、その反省をなされただろうか……と私はいつも思うのだ。 韓国野党はいま韓国政府によって「反国家勢力」と位置付けられているにもかかわらず、韓国メディアではそんな野党、左派団体の主張ばかりが報道されているのも気がかりである。 そうした中で、驚きの報道が入ってきた。正義連元代表で議員の尹美香(ユン
日本より厳しい「親ガチャ」の実態 日本人にはわかりにくいが、中国には目に見えない階層が存在する。戸籍(出身地)、学歴、職業、所得が主なもので、それは差別にもつながっている。とくに親がどんな戸籍で、どんな階層に属するかは、子どもの人生にとって重大な問題だ。 中国には都市戸籍と農村戸籍があるが、もし親が農村出身で農村戸籍だったら、都市の大学を受験する際のハードルは都市出身者よりも高く設定されているし、都市で不動産を購入するにも都市出身者よりも条件が多く、購入する上で不利な立場に立たされている。 「親ガチャ」で不運だった人の人生は初めからある程度、決まってしまうのだ。 日本にも「親ガチャ」は存在するが、日本には大学進学や不動産購入の面で、社会に差別的な制度があるわけではなく、自分の努力次第で、「ガチャ」による不利な状況を乗り越えることは十分に可能だ。 しかし、中国の「親ガチャ」によるその後の人生
リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。 著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。 組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進 日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人た
あたらしい「豊かさ」の種を蒔く ─新しい社会と環境の循環を 「素材」からつくる─ Bioworksは、素材の研究・開発から得られた 技術や知見を背景とする プランニング、プロデュースによって、 地球と人類がともに健やかに生きられる 未来を生み出していく、 マテリアル・クリエイション・ カンパニーです。
地球上で人口が最も多い国は、大国の庇護など必要としない。インドは東西冷戦の時代でも、そのほとんどの期間で非同盟の立場を維持した。 米政府関係者のなかには、「良く言っても」その程度だと皮肉を込める向きもいるだろう。 現在のインドの指導者は権力の集中、そして宗教と国家について、米国政治思想の古典「ザ・フェデラリスト」とはいくぶん離れた考え方の持ち主だからだ。 したがって、インドが米国寄りになることには運命的あるいは必然的な要素は一切ない。 ところが、中国の振る舞いのどこかが、以前はどっちつかずの態度を取っていた国に、差し当たりは米国との(同盟とは言えないまでも)合意を促すことになった。 これは中国のアンフォーストエラー(敵から強いプレッシャーを受けていないのに犯したミスのこと)であり、同種のミスと比較すると、これ以上に重大なエラーは戦争以外にはあり得ないかもしれない。 恥をさらした中国・ロシア
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