先週のスティールパートナーズの判決に続き、村上ファンド事件の判決が出た。事案や争点はもちろん異なるのだが、共通するのは、「アクティビストファンドが派手に動いて儲るのはけしからん。市場や社会の秩序を保つためには利益至上主義を断罪しなければならない」という正義感に基づいた価値判断ではないか。法律構成やあてはめは、その価値判断から導かれた結論を正当化するものに過ぎない。仮に裁判所がこのような価値判断を持っているのだとすると、それには賛成しかねる。 スティールの事案では、以下のように語られていた: 『抗告人関係者(スティール)は、投資ファンドという組織の性格上、当然に顧客利益優先の受託責任を負い、成功報酬の動機付けに支えられ、それを最優先にして行動する法人であり、買収対象企業についても、対象企業の経営には特に関心を示したり、関与したりすることもなく、様々な策を弄して専ら短中期的に対象会社の株式を対