「安全運転」だった田中真紀子文科相が、ついに動いた。今回の政治判断は副大臣ら政務三役にも事前相談がなかったといい、省内からも驚きの声が上がった。 ある文科省幹部は「大学設置認可の権限が文科相にあるとはいえ、審議会が半年以上かけて審査した結果を覆すのは、いかがなものか」と疑問を呈す。 既定路線だったことを突如、ひっくり返すという手法は、外務官僚と衝突を繰り返した外相時代を思わせる。課長人事を差し戻すという異例の指示を行ったり、官邸サイドが求める幹部人事に反対したりして混乱を深めた経緯がある。 別の幹部は「今回は大臣の思い入れのある政策で、政治決断だから仕方がない」としながらも、こうつぶやいた。「なぜ来年度の改革では駄目だったのか。準備をしてきた3つの大学が政治決断の犠牲になった形で、あまりに気の毒だ」◇ 元文科官僚の京都造形芸術大学教授、寺脇研氏 「大臣が実際に認可するかどうかは、審議会の決