ここ1カ月ほど、心に重くのしかかっていて不愉快な言葉がある。 「原発によって補助金が入るので、おおいの地域はどっぷり漬かっているのではないか。本当にお気の毒だと思っている」 発言の主は静岡県の川勝平太知事である。先月14日、福井県おおい町議会が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働容認を決めたのを受けて、定例会見で述べたものだ。 今月14日には同様の発言が大阪市の橋下徹市長によって行われた。 「(原発立地自治体に)どれだけ消費地から税や電気料金のお金が行ったか。正直にそこの認識は持ってもらいたい。原発立地のメリットもあったはずだ」 この日はおおい町の時岡忍町長が2基の再稼働に同意した日である。いずれの言葉にも、えげつないほどのトゲがある。川勝知事の言葉には、補助金頼みの自治体には、まっとうな判断は下せないだろうという皮肉が含まれている。橋下市長の言葉は、電力消費地からの資金で食っているのだから