戦後最大の国難、東日本大震災発生から6日目の昨年3月16日。天皇陛下は国民に向けてビデオでお言葉を述べられた。被災者を深くいたわり、救援活動にあたる自衛隊員や消防隊員や警察官をねぎらったのち、こう語りかけられた。 「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います」 「平成の玉音放送」といわれる。 この後、陛下は7週連続で岩手、宮城、福島県などの被災地や首都圏の避難所を皇后さまとともに訪問され、被災者一人一人に声をかけて励まされた。 両陛下は皇居で自主停電もなされた。連日、一定時間をろうそくや懐中電灯で過ごし、暗いなかで食事される日もあった。 国民と苦難を分かち合おうとされる両陛下のお姿に、被災者や国民はどれだけ勇気づけられたか、はかり知れない。 今年3月、心臓の手術を受け、退院から1週間で大震災の追悼式典に臨まれた。 民の