政府が漁業関係者をはじめ地元の強い反対の声を無視して、東京電力福島第1原発で増え続ける放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水の海洋放出方針を決定しました。日本共産党国会議員団福島チーム責任者の高橋千鶴子衆院議員に何が問題なのか、聞きました。(聞き手・三木利博 写真・佐藤研二) 「薄めて流せ」言うが… 500倍の希釈でも500倍流せば同じ ―「薄めて海に流せばいい」という政府に対し、海洋放出を決定する前日の国会で、放出反対の立場から菅義偉首相らに質問し、「海洋放出しても40年かかる。それだけの時間があれば、(放射性物質が半分に減る半減期が約12年の)トリチウムはもっと減衰し、新たな道も決まる」と指摘しましたね。 高橋 政府の中長期ロードマップで「復興と廃炉の両立」を大原則に、汚染水対策は廃炉と一体としています。そして福島第1原発の廃止措置は終了まで30~40年と