今から1年前の2014年10月28日、米国ヴァージニア州にあるウォロップス島から打ち上げられた「アンタリーズ」ロケットは、その直後に爆発を起こし、大きな火の玉となって地上に落下した。その劇的な映像や写真は、SNSなどを通じて広く拡散され、多くの人に衝撃を与えた。 もちろん衝撃を受けたのは外野だけではなかった。アンタリーズ・ロケットを開発、製造したオービタルATK社。爆発したと考えられているロケット・エンジンを供給したエアロジェット・ロケットダイン社。そしてこの打ち上げを発注した米航空宇宙局(NASA)。失敗への対応と、原因の調査、そして対策に、この3者は揺れに揺れた。 本稿ではまず、アンタリーズ・ロケットの打ち上げ失敗とその原因調査の経緯から見ていきたい。 アンタリーズの失敗 アンタリーズ・ロケットは米国のオービタルATK社が開発したロケットで、主に国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資