入学・卒業式などの行事だけでなく、平日にも国旗を掲げる「常時掲揚」を大阪府立高校で唯一、実施してきた元校長がいる。抵抗勢力は国旗掲揚に反発する教職員組合だけではなかった。「府教委は常に『現場でもめたら困る』と弱腰。国旗を降ろせという圧力も感じた」。事なかれ主義に染まった大阪の教育行政の実態を元校長が告白した。決議後も常時掲揚ゼロ… 奈良市在住の辻村●雄(くにお)さん(66)。平成12年4月から4年間、府北部の府立高校で校長を務めた。当時の大阪の学校では、すでに学習指導要領で明確に規定されていた入学・卒業式での国旗掲揚ですら教員から激しく抵抗されたという。 「職員会議で国旗を式場に持ち込むと言うと、教員から『ばかいうな』『ナンセンス』とヤジが飛ぶ。異常な教育現場を正常化しなければと強く思った」 職員会議は事実上の最高議決機関として運用され、多数決ですべてが決まるため校長の権限は形骸(けいがい