第2回『木下富雄さんにもらった"球聖バット"に手応え』 入団1年目の春季キャンプでプロとのレベルの違いを痛感させられた俺は「1年でクビになるかもしれない」と本気で思った。でも、振り返ってみると、早い段階で危機意識を持てたことは大きな収穫だったね。だってそうでしょ?ヘタはうまくなるしかないんだから。 そのころは打撃マシンの球でさえ、バットの芯で捉えられるのは10回に1回とか2回だった。でも、毎日のように練習していると、その確率が上がってくるわけよ。夏場ぐらいには10回に5回ぐらいは芯に当たるようになってね。それでようやく二軍選手の「並」のレベルなんだけど、成長しているという実感があるから、つらさより喜びの方が大きい。だから次の日も頑張れるんだ。 そんな俺を支えてくれる人もいた。大きかったのは学生で言うと2つ上の内野手、木山英求さんの存在だ。ティー打撃をする時なんかにコンビを組んでくれて、俺が