最近の暑さは異常である。世界の温室効果ガス排出量は減っているのに、気温が急上昇するのはなぜか。その原因はエルニーニョだと言われているが、海流だけでは説明できない。 これを説明する論文がたくさん出てきたが、注目されるのはほとんどがエアロゾルの効果を計算に入れていることだ。 大気汚染は地球寒冷化をもたらす まず観測データを見てみよう。EUの観測機関によると、2020年春からSOX(硫黄酸化物)の大気中濃度は1/5に激減した。これはロックダウンで経済活動が止まり、大気汚染が減ったためだ。 SOXの大気中濃度 化石燃料の影響は温室効果ガス(GHG)と大気汚染(SOX)にわけられるが、この二つは相反する効果をもたらす。GHGは温室効果で気温を上げるが、SOX(エアロゾル)は太陽をさえぎって気温を下げる。この効果は昔から知られており、IPCCの指導者シュナイダーは1971年の論文で地球寒冷化を予告した