2024年、結成10年を迎えた石田組は精力的に公演を重ね、日本各地で大きな成功を収めている。そして11月10日、日本武道館。石田組にとっても、クラシック音楽の歴史においても、記憶に残るコンサートが開催された。 武道館に足を踏み入れる前に最も気になっていたのが、彼らはこの大舞台でどのような演奏を聴かせてくれるのだろうかということだった。クラシック音楽の会場において最大規模であるサントリーホールが、2006席。思えば石田組は昨年の時点でサントリーホールを2ステージこなし、追加公演も行うという動員力を誇っていた。加えて、最小人数での弦楽アンサンブルを会場の隅々まで響かせるという拘りも持つ。なるほど動員という点においては日本武道館、決して相手に不足はない。ただ、武道館という空間で聴く石田組はどんな装いで私たちを待っているのだろうか。 南スタンドに腰をおろすと、ステージが眼前に広がる。左右に置かれた
硬派な風貌から〝クラシック界の風雲児〟との異名を取るバイオリニスト、石田泰尚(51)率いる弦楽アンサンブル、石田組が10日、東京・北の丸公園の日本武道館で結成10周年記念ツアー公演を行った。 4月14日の兵庫公演を皮切りに12月22日の福岡公演まで全国約30公演を巡るツアーの一環で、石田にとっては悲願の聖地での公演。約8300人のファンが詰めかける中、「今日は本当に武道館へようこそ」と感慨深げにあいさつ。「とにかく最後までちゃんとやりますから」と茶化し、会場は爆笑に包まれた。 ステージでは4月のアルバム「石田組 結成10周年記念 2024・春」の1曲目に収録された布袋寅泰(62)の楽曲「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」から始まり、フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルの名曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」など正統派クラシック曲から、クイーンやレッド・ツェッペリ
こわもてのバイオリニストとして知られるが、本当の人気の理由は、実直な内面と、それがにじみ出るような演奏にあるのだろう。オーケストラや、ジャンルの垣根を越えるアンサンブルなどで幅広く活動する石田泰尚さ…
本日7月27日、ヴァイオリニストの石田泰尚が、横浜みなとみらいホールの「プロデューサー in レジデンス」事業のプロデューサー 2025-2027に就任することが発表された。任期は25年4月から27年3月まで。 2021年度にスタートした同事業は、演奏家がホールと連携し、企画制作から実施までに携わることで、アーティスト自身のプロデュース力の向上をはかるとともに、ホールが制作するコンテンツの創造性を高めることを目指す試み。これまでにカウンターテナーの藤木大地が初代プロデューサー(21-23)を、現在は反田恭平が第2代を務めており(23-25)、石田は第3代となる。 2001年から神奈川フィルのコンサートマスターを務める石田。14年には自身の呼びかけにより弦楽アンサンブル「石田組」を結成。本格的な演奏とジャンルレスなレパートリー、親しみやすいパフォーマンスで高い人気を誇り、結成10周年
硬派で無骨、唯一無二の存在感放ち精力的な日々送るヴァイオリニスト 東西の名門オーケストラを束ねつつ弦楽アンサンブルの未来を照らす クラシックの新たな可能性を引き出すために──。「組長」は次のステージへと続く扉を開いてゆく。 いかつい風貌。鋭い眼光。 そして、「自らを厳しく律する者」でなければ到底、着こなせない、大胆かつ独創的な衣装──。 インタビュー部屋に現れたヴァイオリニスト・石田泰尚は、舞台で魅せる佇まいそのままだった。 想像していたことではあったが、一同に緊張が走る。 インタビュアーに対し、口数の極めて少なそうな音楽家であることは、他の媒体を通じ、予め知っている。 神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川フィル)で、石田は長らくソロ・コンサートマスターを務めてきた。 ソロやユニットでの活動も含め、年間百五十公演近くもの舞台に立ち、おそろしく精力的な日々を送る。 筆者が初めに石田を知った
短く刈り込んだ髪にバリアートを入れ、色付きレンズの眼鏡。異彩を放つ異色のカリスマ・バイオリニストが、音楽に触れたのは3歳のころだ。 「テレビから流れてくる音楽にリズムをとっている僕の姿をみた両親が、近所にあったバイオリン教室に通わせたみたいです。しっかりとは覚えてはいませんけれど…(笑)」 それからバイオリンとともにほぼ半世紀。ソロやユニットで年間約150公演の舞台に立ち、精力的な日々を送る。 「この楽器の音色と繊細なところが好き。なくてはならない存在でずっと弾き続けていきたい」 子供のころは「バイオリンはあくまでも趣味でやっていこうと思っていた」程度だったが、高校3年生で転機が訪れる。 大学進学が近づいても「普通の大学に進学してオーケストラ部でちやほやされちゃおうかな」ぐらいにしか思っていなかったが、系列大学のキャンパスに見学に行ったとき、何か違和感を覚えたのだ。
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