英紙記者がランチをしながら著名人にインタビューをする連載「あの人と昼食を」。現代金融経済学の第一人者であるユージン・ファーマは、株価にはすべての情報が正確に反映されるとする「効率的市場仮説」を提唱してノーベル経済学賞を受賞した。ファーマはこれまでバブルは存在しないと主張してきたが、AIブームで歴史的な水準に沸く株式相場についてファーマはやはりそれでも、「株価は適正」と言うのか。 世界でもっとも影響力のある経済学者の視点 金融経済学者ユージン・ファーマとのランチが、株式市場で大もうけすることと同じくらい困難だということは承知していた。初めてインタビューを申し入れたのは2021年で、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが継続中で断念した。 それならばとビデオ通話を提案すると、断固拒否された。ファーマから、「ものを食べながら話をする人をズーム画面で目にすることは我慢がなりません」というメー