眩しいとか、眩いというのではなく確かにその窓を通って柔らかな光が降り注いでくるのです。 例えば、祈りの場所に。かつては、学び舎の片隅に。 あるいは、旅先のくつろぎのひと時に。 ステンドグラスは、光の絵画です。敬虔さと謙虚さを、そのガラスに滲ませて。 穏やかで、柔らかく、満ち足りた平穏がステンドグラスの持つ力なのでしょう。 今日の作品が見つかったのは、ある日記がきっかけでした。 「大正9年、5月22日。青森、宮越氏、ステンドグラスの価格を尋ねくる」 それは、長い間日本のステンドグラス史の中で幻とされてきた作品だったのです。 青森県、津軽半島の付け根に「中里」という町があります。 宮越家は、12代続く町の素封家です。 御当主の、宮越靖夫さんは、町の文化財審議委員でもあります。 この離れは、10代目が妻の誕生祝いにと建てたもの。 庭に面したその窓に…。 今日の作品。タイ