入院待ちの患者が病院の廊下や駐車場、はては備品置き場で治療を受けるのが常態化している──。英国の病院の現状について、現場の看護師たちがそう警告を発している。 「国家的な危機」 英国の看護師でつくる労働組合「王立看護協会(RCN)」の調査によると、調査した看護師の3人に1人以上(37%)が、最近の勤務中に患者が不適切な場所でケアを受けるところを見たと回答した。 英国の病院では少なくとも過去2年間、緊急救命室(ER)の過密状態が大きな問題になっていて、待ち時間は大幅に延びている。 このため、廊下に置かれたストレッチャーなど、病院内の必ずしも機器が整っていない不適切な場所で治療を受ける患者が続出している。 調査した看護師およそ1万1000人のうち半数超(53%)は、こうした「廊下治療(corridor care)」では酸素供給装置や吸引器のような救命機器が使用できないと答えている。 また約67%