マイナンバーカードはその利便性の裏にさまざまな問題を抱えている。それは個人情報の漏洩や更新手続き忘れだけには止まらない。更なる問題点を、前編記事「「マイナ保険証」のせいで、医療費が「全額自腹」になりかねない怖すぎる理由」に引き続き紹介する。 医療情報が漏れていく もうひとつの大きなリスクが「医療情報の漏洩」だ。マイナンバーカードと健康保険証が一体化すると、従来の保険証とは比較にならないほどの情報が、たった一枚のカードに紐づけられる。医療機関を受診した際の情報漏洩リスクが格段にあがるというわけだ。 いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹氏が説明する。 「政府は今後、マイナ保険証を利用すれば医療機関が電子カルテを見られるようにするほか、民間企業が活用できるようマイナンバーカードと様々な医療情報を紐づけていくつもりです。 一見すると便利ですが、しかし、患者さんの病歴や治療歴、感染症情報は、最も重
「メリットいっぱい! マイナンバーカード」。軽佻浮薄な政府の宣伝文句の裏側には、恐ろしいリスクが隠されていた。あなたの手元にあるプラスチック製カードのせいで情報も資産も命も奪われる。 「ゴリ押し」の代償 「マイナンバーカードを取得することで、個人情報が流出するリスクが高まることはありません!」 河野太郎デジタル大臣は、これまで何度となくこう宣言し、マイナンバーカードの安全性を強調してきた。しかし絶対安全どころか、たった一枚のカードが日常生活に致命的な大ダメージをもたらしかねないことに、ほとんどの人は気づいていない。 政府はいま、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させた「マイナ保険証」の普及を急ピッチで進めている。'24年秋からは原則として健康保険証が廃止され、患者は診療を受ける際、病院の受付でマイナ保険証を提示しなければならなくなるのだ。 「申請者には最大2万円分のポイントを付与する」
昨年10月、中国共産党の党大会が開かれました。指導部は習近平政権の数々の"輝かしい功績”を発表しましたが、「日経新聞の切り抜き」を25年間継続し、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は、複数の切り抜きから「習近平体制崩壊の“予兆”がみられる」といいます。いったいどういうことか、習近平体制の危うさと、19世紀以降、中国が抱えている欧米列強への「恨み」について、みていきましょう。 党大会で発表された習近平の“功績” 5年に1度開かれる中国共産党の第20回党大会が2022年10月16日に開幕し、習近平(しゅうきんぺい)総書記(国家主席)が登場する姿を多くの人がテレビの報道で見たことだろう。にこやかに手を振りながら自席に着き、党の運営方針をまとめた中央委員会報告(活動報告)を発表する様子は、自信に満ちているようだった。 過去5年を振り返りながら報告された内容の要旨を箇条書きにすると
知らず知らずのうちに、日本が統制国家に向けて歩み始めている。資本主義社会では、政府は可能な限り民間企業の活動に介入しない方が良いというのが常識だが、その命題は市場が正常に機能していることが大前提となる。経済の低迷が続き、市場機能が失われつつある日本においては、政府が介入した方が、事態が改善するという皮肉な状況となっている。 だが、政府の介入に過度に依存する状況を放置すれば、日本経済はますます機能不全を起こす可能性が高い。政府は介入によって事態の改善を図りつつ、本来、企業が持っている姿を取り戻すための諸改革を進めることが重要である。 「最低賃金制度がない国」より賃金が低い かつての日本は、低賃金・長時間労働が当たり前の社会であり、元請け会社が下請け会社対して過度な値引きを要請することも当然視されていた。こうした行為は労働基準法や独占禁止法、下請法などによって禁じられているが、企業活動を優先す
増資で新たに発行する株式は最大5億4690万株に達する。増資前の発行済株式総数の34%に相当する株式が増えることになるため、報道が流れた直後から株式価値の希薄化を懸念した売りに押されて株価は大きく下げた。市場全体は海外投資家の買いで活況を呈し、株価が大幅に上昇したのとは対照的だった。 5月17日に日経平均株価は3万円を突破、その後も上昇し続けて22日には33年ぶりに3万1000円台に乗せた。そんな中で楽天の株価は5月12日の707円から5月18日には606円にまで下落、22日は613円で引けたものの、取引時間中には602円の安値を付けた。 それほど投資家に動揺を与えながらも大型の増資に踏み切らざるを得ないところに、楽天の苦しさが滲み出ている。なりふり構わぬと言ったところだが、つい1カ月前にも市場を使った資金調達をしたばかりだった。子会社の楽天銀行を東証のプライム市場に上場、保有株の一部を売
セブン&アイ・ホールディングスは25日に開いた定時株主総会で、投資ファンドの米バリューアクト・キャピタルが株主提案していた井阪隆一社長ら4人の退任を実質的に求める取締役選任案を否決した。一方で、セブン&アイが会社提案していた井阪氏ら5人の取締役選任案が可決された。バリューアクトは物言う株主(アクティビスト)として、セブン&アイに対し中核のコンビニエンスストア事業に集中することを要求。セブン&ア
次の衆議院選挙に向けた自民・公明両党の候補者調整で、公明党は、焦点となっている「東京28区」への擁立を断念したうえで、東京では自民党の候補者に推薦を出さない方針を決定し、自民党に伝えました。これに対し、自民党は持ち帰って検討する考えを示しました。 衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」に伴い、選挙区の数が5つ増える東京への対応について、公明党は25日朝、常任役員会を開き、党の方針を決定しました。 それによりますと、焦点となっている「東京28区」への候補者の擁立については自民党が「受け入れられない」としていることから、断念するとしています。 そして、すでに公表している「東京29区」への現職議員の擁立に自民党の都連の一部が協力しない意向を示していることも踏まえ、東京での協力関係を解消するとしています。 具体的には、 ▽「東京29区」では自民党の推薦を求めず、 ▽そのほかの東京の選挙区では自民党
「ロシア政策をめぐり自己批判すべきだ」 こう批判されているのは、ドイツのメルケル前首相です。 16年間首相を務め「ヨーロッパの事実上の決定権者」などと、その手腕を高く評価されてきたはずのメルケル氏。 ところが、最近、国がその功績をたたえる勲章を贈ったことが波紋を広げました。 メルケル氏はなぜ、批判にさらされているのか。ドイツで、何が起きているのでしょうか。 (ベルリン支局長 田中顕一) メルケル前首相 勲章授与に批判? ことし4月中旬。メルケル前首相にドイツの首相経験者としては最高の栄誉とされる「特装大十字賞」が授与されました。 この賞を授賞したのは第2次世界大戦後の西ドイツの初代首相アデナウアー氏と、東西ドイツ統一時の首相コール氏の2人だけ。 「特装大十字賞」を授与されるメルケル前首相(右から2番目・2023年4月) ところがメルケル氏にこの勲章が授与されたことをドイツメディアは軒並み批
英国債利回り上昇、昨年の市場混乱時の水準を回復-CPIショックで Greg Ritchie、Alice Gledhill 24日の取引で英国債利回りが上昇し、トラス前政権が財源の裏付けのない大型減税計画を発表して市場が大混乱に陥った時以来の高水準を付けた。この日発表された4月のインフレ統計が衝撃的な内容で、市場はイングランド銀行(英中央銀行)の利上げ見通し引き上げを迫られた。 英インフレ率、予想を大きく上回る-追加利上げの観測強まる (1) 英国の4月のインフレ率は、ブルームバーグが調査したエコノミスト全員の予想を上回った。英10年債利回りはいまや同年限の米国債利回りを50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上回り、利回り差は過去10年余りで最大に並ぶ水準。英国債の2年物と10年物の逆イールドは2月以降で最大の大きさとなり、短期金利が長期にわたり高止まりする可能性にトレーダーが
英国の4月のインフレ率は予想を大きく上回った。サービスとコアの価格は約30年ぶりの高い伸びとなり、イングランド銀行(英中央銀行)の追加利上げを見込む取引が活発化した。 消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.7%上昇。エコノミスト36人の予想レンジの上限を上回った。中銀の予想は8.4%だった。食品・エネルギー・たばこを除くコア指数の上昇率は6.8%と、3月の6.2%から加速した。 インフレ率は8カ月ぶりに1桁台に低下したものの、今回の統計を受け、中銀には夏まで利上げを継続するよう求める圧力が強まりそうだ。 トレーダーは主要政策金利が年末までに1ポイント近く引き上げられる可能性を織り込んでいる。24日の短期金融市場は、英政策金利が5.5%前後でピークになると示唆。23日時点は5.1%だった。
オーストラリアがリセッション(景気後退)に陥るリスクは5月にわずかに上昇したことが、ブルームバーグの調査で示された。インフレ抑制に向け豪準備銀行(中央銀行)は政策金利を長期にわたって高水準に維持すると予想されている。 エコノミスト14人によると、豪州が景気後退入りする確率は38%と、4月の35%から上昇した。今月18-23日に35人を対象に実施された調査によれば、豪中銀は2024年1-3月(第1四半期)に主要政策金利を現行の3.85%に維持し、同年4-6月(第2四半期)に金融緩和を開始する可能性が高い。予想される緩和開始時期は前回調査より3カ月後ずれした。 ラミナー・キャピタルのエコノミスト、スティーブン・ロバーツ氏は「インフレ率は前年同期比で鈍化しているが、高過ぎる状態があまりにも長く続く公算がなお大きく、豪中銀が政策金利をピークの水準に長めに維持する要因になる」と述べた。 関連記事 豪
Jerome Powell, chairman of the US Federal Reserve. Photographer: Al Drago/Bloomberg 米連邦公開市場委員会(FOMC)が5月2、3両日に開いた会合では、銀行セクターでのストレスが経済に与える影響について高い不確実性がある中、インフレ抑制に向けた追加利上げの必要性を巡り参加者の見解が分かれたことが、24日に公表された議事要旨で明らかになった。 議事要旨は「もし経済が現在の当局者見通しに沿って展開するなら、今会合後のさらなる政策引き締めは必要ないかもしれないと幾人かの参加者は指摘した」と記述。 その一方で「一部の参加者は、インフレ率を2%に戻すための進展が受け入れ難いほど遅い状態が続く可能性があるとの見通しに基づき、将来の会合での追加の政策引き締めが正当化される可能性が高いと発言した」と記した。 5月のFOMCで
ジュピター・ストラテジック・アブソルート・リターン・ボンド・ファンドを運用するマーク・ナッシュ氏は2年物米国債をショートしている。米連邦準備制度が年内に利下げをするという市場の予想は間違っていると考える同氏は、2年物を「最も危険な」米国債と呼ぶ。 「米連邦準備制度にとって、現時点の最優先課題は当面のインフレ期待を冷やすこと」であるため、金利動向に敏感な証券は「イールドカーブの中の最も危険な部分になる」とナッシュ氏は説明した。同氏のファンドは過去5年の成績が同種ファンドの91%を上回っている。 同氏はインタビューで「インフレを押し下げるためには実質金利の上昇が必要なことは極めて明白であり、米金融当局はそれが実現するまで利上げをやめないだろう」と語った。「政策はまだ十分に引き締まっていない」と指摘した。 金融市場を揺るがした米地銀危機の中で、2年物は米国債の中で最も大きく変動した部類に入る。
著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は24日、米国債のデフォルト(債務不履行)回避に向けた協議は長引く恐れがあり、債務上限引き上げで合意に至らなければ、市場は大打撃を受け、長期的にはドルの信認が損なわれると警告した。 同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「合意がまとまるのは最後の1時間に入ってからかもしれない。あるいは合意に至らない可能性もある。もし合意が実現しなければ、市場は暴落することになる」と述べた。 ルービニ・マクロ・アソシエーツの会長を務めるルービニ氏は、ドーハで開催中の「カタール経済フォーラム」に参加。同氏は2008年の金融危機を予見したことでよく知られている。 ルービニ氏は米国と中国との緊張関係に触れ、「米中間の冷戦はさらに冷え込む」と予想。 「米中間の雪解けはないだろう」とし、広島で今月開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)に対する「中国の反応は、欧
米連邦債務上限引き上げの最終的な合意で想定される歳出削減では、最大57万人の雇用が犠牲になり、年内に見込まれているリセッション(景気後退)が深刻化する可能性があると、ブルームバーグ・エコノミクスは指摘した。 ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アンナ・ウォン氏は「長引く交渉行き詰まりは米経済にとって悪いニュースとなるだろう。しかし、合意がまとまっても犠牲を伴うものになる」と今週のリポートで指摘。 2023年下期の「リセッションというのが既にわれわれの基本的な予想」であり、「歳出削減はそれを悪化させ、24年の大統領選にかけてさらなる向かい風になる」と記した。 政府の資金が枯渇し、デフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある「Xデー」が近づく中、債務上限引き上げの交渉では歳出削減などの主要な問題で意見が大きく分かれている。 米債務上限の交渉担当者、東部時間24日正午に協議再開
【NQNニューヨーク=稲場三奈】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比113ドル20セント安の3万2942ドル31セントで推移している。米連邦政府の債務上限問題を巡り、バイデン大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が24日朝に協議を再開すると伝わった。ただ、先行き不透明感は根強く、売りが先行している。ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面が
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