(CNN) 20日に自動車爆弾で殺害されたダリヤ・ドゥーギナ氏の父親、アレクサンドル・ドゥーギン氏(60)は、ロシア政府内で影響力を増しつつある過激なナショナリズムの精神的支柱といえる存在だ。 ロシア軍将校の家庭に生まれたドゥーギン氏の歩みは特筆に値する。かつて異端の思想家だった同氏はいまや、ロシアを欧米の退廃に対抗する「ユーラシア」帝国の中心に位置づける有力な思想潮流の主導者になった。「ロシアの世界」という言葉の生みの親でもある。 その過程で、この思想潮流はロシアの外で形成されたウクライナのアイデンティティーに対する強い嫌悪感を抱え込むことになった。 ドゥーギン氏はロシアによる2014年のクリミア併合前、ウクライナ領の一部を含む地域を指す「ノボロシア(新しいロシア)」という表現の復活に寄与した。プーチン大統領は14年3月にクリミアをロシアの一部と宣言した際、この言葉を使用した。 ドゥーギ