今、世界を揺るがしている戦争は2つの場所、ウクライナとガザで起こっている。 ウクライナとガザ、地図上で見ると、とても離れた地域である。しかも、スラブ人とアラブ人、正教会とイスラム教徒、ユダヤ教徒、いずれをとっても共通点が見つからない。 あえていえば、アメリカとロシアが深くからんでいることだけである。ただ、地政学的東西対決のフロントとして、2つの地域が深く結びついていることはわかる。 しかし、過去の歴史をさかのぼると意外なことに気づく。それは、これらの地域は同じオスマン帝国の中にあったことである。かつてオスマン帝国は、黒海の北部(ウクライナ)と、中東地域(ガザ)を領土に組み込んでいた。つまり、両地域とも同じ帝国の版図の中にあったのである。 その2つの地域が、今戦争に陥っているのは偶然ではない。それはこの巨大な帝国、オスマン帝国の崩壊から、20世紀の歴史、そして21世紀の歴史の変動が始まり、い