9月だというのにまったく暑かった。おれは古びた神奈川県庁の地下の一室にいた。いつか入札の説明に来た部屋のような気がした。がらんとした室内には、面接官の役人とおれの二人だけだった。会議用の長すぎるテーブルを挟んで、名前だの生年月日だの、いくつかの質問をされた。おれはそれに答えた。まったく、丁寧に、嘘偽りなく。 「……あなたの最大の弱みは何ですか?」 「金属バットで頭を殴られると死にます」 「フルスイングで?」 「いや、金属だと当たりどころ悪かったら軽打でもいっちゃうんじゃないっすかね?」 「ああ、骨が無事でも脳がね。まあ、どのみちあなた、死にたいんですよね」 と、面接官はなにか手元のペーパーをめくる。おれに関するなにごとかがプリントアウトされている。 「希死念慮ってやつですね。お薬も飲んでますね。自死か、路上か、刑務所かって、まあ今はそれどころじゃないのはご存知ですよね?」 「ええ、なんとな
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